kotoba31 2018年春号ブレードランナー2019-2049 荒木飛呂彦先生インタビュー

kotoba31 2018年春号 ブレードランナー2019-2049

 

集英社より発行されている言論誌『kotoba』の2018年春号(No.31)「ブレードランナー2019-2049」に掲載された荒木飛呂彦先生のインタビューを紹介します。

 

特集 ブレードランナー 2019-2049

 

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kotobaとは

kotobaは「多様性を考える言論誌」として2010年9月に集英社から創刊。季刊誌として年四回発行されています。

特集テーマが毎回バラエティに富んでいるのが特長で、これまで「宇宙」「死」「美術」「南方熊楠」「ブレードランナー」「孤独」「シャーロック・ホームズ」「スティーヴン・キング」などが特集として取り上げられています。

 

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kotoba2018年春号の特集について

kotoba2018年春号の特集は『ブレードランナー2019-2049』です。

美しくも退廃的な映像美で独自の未来を創造した『ブレードランナー』。
その正統な続編として、新たな才能と技術の粋を結集し、昨年、世に放たれた『ブレードランナー 2049』。
SFというカテゴリーにとどまらず、「人間とは何か?」という根源的な問いを投げかけてきたこの映画を日本を代表する哲学者、映画監督、作家、科学者たちが、新たな視点で読み解く。
原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を見出し、映画化へと導いた脚本家ハンプトン・ファンチャーへの独占インタビューも敢行し、これまで作品について語られてきた伝説の真実にもせまる。
<集英社公式サイトより>

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kotoba2018年春号 荒木先生インタビュー

荒木先生のインタビューのタイトルは『ブレードランナーに見る、融合と境界』

デビューから現在に至るまで、一貫して「映画的な漫画表現」を追求してきた荒木先生が、ブレードランナーという作品をいかに自らの血肉としてきたかが語られています。

以下、個人的に気になった箇所をピックアップします。

 

あのころはスタローンやシュワルツェネッガーが出演する肉体派の作品や、「家族愛をわかりやすく描くような映画」が多かったので、『ブレードランナー』は異彩を放ってましたね。

 

つくり方で言えば、『ブレードランナー』という作品は、『ジョジョ』とは真逆に位置するものだと思っています。僕が『ジョジョ』で目指しているのは、正義と悪や、自分と他人の境界を曖昧にせず、はっきりと描き分けることです。

 

曖昧で移ろいやすい人の心すらも、絵ではっきりと見せたいという思いから生まれたのがスタンドなのです。

 

(ロイ・バディについて)
「短く切りそろえられた金髪に美しい肉体」という彼のビジュアルは衝撃的で、それまで自分が抱いていた悪役のイメージを覆されました。『ジョジョ』に登場するDIOにも、その影響は出ていると思います。

 

機械と人間は、実物だとまったく異なる物質ですが、絵で描く場合は画材が同じなので材質も同じになるわけです。だからこそ、スタンドのような異質の存在を世界に馴染ませて描くことができるんです。

 

最新作の『ブレードランナー2049』を鑑賞して驚いたのは、実写でありながら、この「溶け合う表現」を映像で美しく再現している点です。

 

(ジョジョのアニメやノベライズについて)
僕がつくったそのままの『ジョジョ』ワールドを再現するのではなく、絶対にどこかは変えてほしいと願っています。原作が変えられてしまうことに反発するファンの方がいるのもわかるのですが、僕としてはやはり変えてもらったほうが楽しいと思うのです。

 

この前観たのはゾンビの生首をボールにしてサッカーをする『ゴール・オブ・ザ・デッド』(2014年)という映画。「俺は、ここまで観るのか……」と、自分でも呆れましたが(笑)。

 

ジョジョとブレードランナーは「真逆である」と語る荒木先生。「映画的な漫画表現」の荒木先生に対して、リドリー・スコット監督がブレードランナーを「漫画の映画」だと説明している事実も興味深かったです。

そして、ブレードランナーの特集なのに、最後は自分の好きなゾンビの話に持っていくあたりが荒木先生らしいですね。

興味のある方は、ぜひ全文をお読みください。

 

特集 ブレードランナー 2019-2049

 

 

 

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kotoba2018年春号 目次

特集 ブレードランナー 2019-2049

パートI ブレードランナーを読み解く
内田 樹 レプリカントの人間性について
渡辺信一郎 『ブラックアウト2022』は、いかにして生まれたのか
ハンプトン・ファンチャー独占インタビュー 創造主が語るブレードランナー秘話
荒木飛呂彦 ブレードランナーに見る、融合と境界
中条省平 メビウスから『ブレードランナー』へ―
樋口真嗣 せめぎ合う才能と合力の結晶
長谷川町蔵 ドゥニ・ヴィルヌーヴ――人間の妄執を描く男
塩澤快浩 サイバーパンクの源流
添野知生 ブレードランナー年譜

パートII ブレードランナーを科学する
松原 仁×池上高志 科学は「人の似姿」を生み出せるのか?
倉谷 滋 「ブレードランナー世界」に住めない生物学者の苦悩
吉川浩満 レプリカントに人間を学ぶ
藤原帰一 『ブレードランナー』のアメリカ

パートIII フィリップ・K・ディックの作品の魅力を探る
清水直樹 ディックの作品は、なぜ古びないのか
小川 哲 伊藤計劃とフィリップ・K・ディック
阿部重夫 レイチェル「妊娠」考
大森 望 『ブレードランナー』を観た後に読みたいフィリップ・K・ディック作品ガイド
[新訳]フィリップ・K・ディック 「彼女が望んだ世界」

(一部省略)

特集 ブレードランナー 2019-2049
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kotoba2018年春号『ブレードランナー2019-2049』

 

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