ウルトラジャンプ2019年12月号に掲載されたジョジョリオン92話『危険な追跡 その④』のあらすじと感想を、ジョジョ歴30年の管理人やまぴーがネタバレありで語らせていただきます。
※これまでのジョジョ全般のネタバレにも触れていますのでご注意ください。
荒木先生の原画展の長崎&金沢版の新キービジュアルが公開されましたね。
尾形光琳の燕子花図屏風ってカッコよすぎるでしょ。っていうか、新しいキービジュアルなんて出して、しかも長崎と石川で別バージョンだなんて信者にどれだけ散財させる気ですか。
岸辺露伴の新作OVAもPVが更新されていい感じ。
よかったら『ザ・ラン』のネタバレ感想でも↓
前回のあらすじを忘れた人は↓
92話のあらすじと感想
院長が壇上に登場
扉絵は、東方定助(ひがしかたじょうすけ)、広瀬康穂(ひろせやすほ)、東方つるぎ(ひがしかたつるぎ)、東方常敏(ひがしかたじょうびん)、そして定助のスタンド・ソフト&ウェットでの手旗信号。
ちなみに定助以外の3人の登場は扉絵のみ。
定助が構えのポーズ、ほかのメンバーが“J”と“O”のポーズ……のはずが、腕の角度から見ると、”J”というより”Y”に、”O”というより”P”になってます。これだと”YPYP”ですね。
ひょっとして、やまぴーのブログアイコンの”YP”を描いてくれたのかな?
荒木先生から無言のラブコール?
ヤダ!荒木先生から対談のお誘いとかあったらどうしましょう。ピエロのメイクとピストル準備しなきゃ。
と、妄想はさておきページをめくると、舞台はTG大学病院。いよいよ明負悟(あけふさとる)院長より『再生医療』についての講演がはじまります。
アオリは
講演が始まる!!
司会進行役の紹介を受けて、院長が登場……なんですが、司会の男のキャラが立ち過ぎてて院長が目に入りません。なんですかコイツは。全身星柄スーツで、ポーズなんて完全に新手のスタンド使いじゃあないですか。
グレイティストショーマンかハッピーボーイぐらいのお祭りオーラが出てますよ。荒木先生もすげえモブ投入したな。4部のパンティ男や7部の義弟レベルで語り継がれそうなキャラだよ。
そんなこんなで明負院長が壇上に登場します。お、意図せず韻が踏めました。余談ですが、6部でメイド・イン・ヘブンが初登場したときのアオリは「騎乗で参上」だった気がします。多分。
ローリング・ストーンズ
舞台は変わりTG大学病院の病棟。無事にTG大学内への潜入を果たすも、警官と出会って5秒で致命傷を負った定助。圧迫好きな定助でも、気絶した警官からの圧迫祭りには耐えられなかったようです。
第11第12肋骨が砕けて腹横筋を切断 脾臓に達している
とても深いわ… 吉影
床を這う瀕死の定助のキズを的確に言い当て、さらには定助を「吉影」と呼ぶ謎の声。
フレミッシュジャイアントうさぎシンディちゃんの身長は?
さらに定助にクイズを出題する声の正体はなんと吉良吉影(きらよしかげ)の母、吉良・ホリー・ジョースター!
驚く定助に構うことなく、勝手にクイズの正解を話しだすホリーさん。ちなみにフレミッシュジャイアントってうさぎはホントにデカいです。
あなたが病院に来ている事などは感覚でわかった
母さんにつかまって… 少し歩かなくては… 治療の出来る場所まで…
ホリーさんはどうやら定助を助けに来た様子。全身拘束されてホコリまみれの病室にいたとかは忘れていいみたいです。一泊12万円の治療費をどう払ったかも忘れていいみたいです。
定助がホリーさんを見ると、体中に数字の書き込みがあることに気づきます。
わたし… 最近凄く忘れっぽくなったから身体にサインペンで「メモ」ってるの…
徐倫もミューミュー戦でメモってました。父の承太郎も恋人戦でメモってました。意外とメモ魔の多いジョジョワールド。ホリーさんのメモ、左半身に集中しているのが地味に好きです。
さらにホリーさんは衣服をたくし上げ、岩化した腹部を定助に見せます。しかし、それだけではありません。岩化した部分はガギガギと音を立てて移動しているのです。
驚く定助とは対照的に冷静なホリーさん。数字は時間であり、例えば「120」の所を岩が通過した場合は、あと120秒で岩がホリーさんの脳まで登って行くことを説明します。そう、岩化箇所が全身を転移しているのです。
これが私がこの病院に居る理由のようね
この流れをくり返している
ついに明かされたホリーさんの病状。岩化箇所が転移するというのは、通常の等価交換では考えづらいです。何か特別な交換を行ったのか、あるいはホリーさんのスタンド能力の影響なのか。かなり気になります。
一方で、人間が物質に見える病状とか身体の一部が失われてるとかは忘れていいみたい。
ただ、ホリーさんの初回登場時からあったカウント癖はここの伏線だったようです。さらに、定助にもカウント癖があったのは「二人が親子」である伏線だったのでしょう。
92話にして謎がひとつ解けました。このまま残りの謎も解けますよ。きっと。
明かされるロカカカのつづり
舞台は変わり、再び講演会。明負院長が本日の講演会のために持ってきたという、ハリウッド映画に出てくるような厳重なケースに保管された謎の液体が登場します。ビンに刻印された文字はなんと…
『LOCACACA6251』(150g)
ついにロカカカのつづりが判明です。しかも後ろの数字はセルフパロディときてます。
というか、院長はすでにロカカカの成分抽出を実現してたとは。もし培養まで成功していたら、ロカカカ畑全滅もノーダメージじゃあないですか。驚きの展開で、院長の顔のドアップも気になりません。
しかもLOCACACA6251には驚きの効能が。
- 体内に注入するだけ!
- 細胞の培養もなく手術は必要なし!
- 非適合炎症リスクなし!
- 再生を超えた元どおりの「交換」!
なんか講演会じゃなくてテレビショッピングになってる気がします。あ、さっきの司会者はその前フリだったのか。
動物や被験者による臨床実験は100%成功し、患者からも満足との結果を得ているとのこと。
ってことは、このあと利用者を代表して晴天バーディーズのアー君が登場でしょう。で、右下には小さく「個人の感想です」のテロップが。
院長が完璧な治療技術だと豪語するLOCACACA6251。しかしながら、その基本的な理論については認可待ちであり、 「極秘」とのこと。
その重要な仕組を「明負悟」がこれから講義解説致します
院長の言葉に拍手喝采で盛り上がる講演会場。コレ、完全にネットワークビジネスなんかのアオリ商法じゃあないですか。ロカカカは単価2億円だから当たればボロ儲けですよ。秒速1億円稼ぐ与沢翼の2倍です。
飲んだら追うな
場面は再び定助とホリーさんに戻ります。定助の治療のため、二人はホリーさんの左腕にメモ書きされた婦人科棟研究室『A2室』へ移動中。ホリーさんはA2室にあるLOCACACA6251で等価交換による治療を行うと言います。ロカカカの存在を知ってることに驚く定助。
しかし、ホリーさんは多くの事を知っていました。病院に新しい明負悟とその仲間が就任した頃から、記憶が途切れ時間の感覚がなくなっていたこと。そして吉良たちに危険が迫っていることを教えてやれなかったこと。
あなたは「ロカカカ」を投与されていたのか…
自身で臨床実験をされていたホリーさんですが、どこまでロカカカについて知っているのか気になるところです。羽伴毅はホリーさんが「ロカカカのラボを作った」と言ってましたし、新薬の場所を知っているからには彼女自身も研究に関わっていたと思われます。
なお、院長率いる病院組とダモカン率いるスタジアム組は別チームだった模様。ならばダモカンが吉良を探すのに何ヶ月も掛かったことも納得です。
斧でラボのドアをぶっ壊すホリーさん。ペイズリー・パークなど不要です。斧でのドアぶっ壊しはシャイニングを彷彿させます。
シャイニングの続編『ドクター・スリープ』の公開記念ですかね。
壊した扉の向こうには新薬「LOCACACA6251」のビンが。これを飲めば傷はすべて「岩」と「等価交換」されて治ります。しかし、身体のどこと交換されるかは予想できません。
でも、飲まねば重傷で死にます。もはや選択の余地はありません。
岩化症状が頭部に移動し昏睡目前のホリーさんは、もうひとつ定助に伝えます。
あいつを追いかけないで …「院長」を絶対に…
あらゆる「悪い力」があなたに激突して来るわ
しかし、その言葉には従えない定助。
それは駄目だ… ここで辞める事は出来ない
オレは何の為にここまで来たのか
必ず… ヤツを倒す…おそらく殺す事になる
さすがはジョニィの子孫。彼と同じ「漆黒の意思」を、定助も持っています。
液体化したLOCACACA6251を飲む定助ですが、途端に口唇部分が岩化します。岩化は鼻の穴にまで広がり、残りを飲むことはおろか呼吸をすることさえできません。いまだに「院長を倒す」という意志を持った定助には、ロカカカの液体さえ『攻撃』として激突してくるのです。
ロカカカのビンを定助から取り上げるホリーさん。塞ぎきれていない頬の傷口からロカカカの液体を流し込みます。傷口から再度ロカカカを摂取し、口唇部分の岩化が解除される定助。
定助の無事を確認して昏睡に陥るホリーさん。最後にもう一度、院長を追いかけてはいけないことを定助に伝えます。
ただし、ひと言を加えて。
追いかけさせるのは良い
正月元旦の朝の定助
気をつけて…お願いよ…
あなたに… また会いたい… から
昏睡するホリーさんの姿を見る定助の眼に涙が溢れます。定助のことを「吉影」と呼んでいたホリーさん。定助を自分の子供だと勘違いしたのか、それとも息子が死んだことを理解したうえで、あえて「吉影」と呼んで導いてくれたのか。
東方定助の半身は吉良吉影ですので、ホリーさんが吉良と勘違いしてもおかしくありません。しかし、確かなことがひとつ。東方定助、そして半身の空条仗世文(くうじょうじょせふみ)は、『二度』もホリーさんに命を救われました。
記憶喪失の状態で発見され、自分の過去、そして名前さえもわからない東方定助。しかし、彼はひとつだけ確かな事を見つけました。
オレはあなたの子供だ
…母さん…
感極まった定助がパンツ一丁でオラオラのラッシュ。ソフト&ウェットで室内の設備を破壊しまくります。
必ず助ける
ジョジョ立ちで決意を述べる定助。このコマ、震えるほどカッコいい。
左半身には等価交換による岩化部分が点々と広がっています。
仮面ライダーや少年漫画では定番の外見チェンジ。意味するところはただひとつ、「すんごいパワーアップ」です。吉良でいえば、草なぎヘアからオールバックへのチェンジです。
院長は追えない。しかし『追いかけさせるのは良い』という逆転的発想。まさかここでジョースター卿の教訓がよみがえるとは。ホルマジオ戦でのナランチャや、食堂でのFFも実践してましたね。
どこかにある「新ロカカカ」の果実は
オレが手に入れる!
パンイチ姿で外の駐車場を見つめる定助の姿は、4部の「新年のパンツ」を彷彿させてくれますね。パンイチ定助は、メディコスがフィギュア化しそうな気さえします。
ひょっとして来月から定助の装備は水兵帽とパンツだけなのかも。
アオリは
想い再び!
余談ですが、次ページにあるジョジョリオン22巻の広告デザインがヤバいです。シンメトリーの構図に散りばめられたオージローとマコリン、そして万札とシャンパン。
ウルジャンさん、これは22巻の別カバーとして付録にすべきですよ。無駄にクオリティ高すぎます。
92話のまとめと考察
92話をまとめると、ポイントは以下のとおり。
- TG大学病院で重症を負った定助はホリーに助けられる
- ホリーは岩化箇所の循環により定期的に昏睡する症状に陥っている
- 明負院長は再生医療の新薬『LOCACACA6251』開発していた
- 定助は治療のため『LOCACACA6251』を飲み、身体の一部が岩化する
- 定助は院長に「追いかけさせる」ため、新ロカカカを見つけ出す決意をする
今回はメッチャやまぴーの琴線に触れてくれました。矛盾点もありますが、それをねじ伏せるかように展開する怒涛の人間ドラマには圧巻です。こういうのを読まされると「やっぱジョジョっておもしれえな!」と改めて感じます。(モチロン矛盾はないほうがいいけど)
奇病のホリーさんを救うため、吉良は岩人間からロカカカを盗む計画を立てました。しかし、ホリーさんの奇病の原因こそがロカカカそのものだったという運命の皮肉。
まるで映画「ターミネーター」の因果みたいです。
そして『LOCACACA6251』を投与した定助。ロカカカには石仮面のような「邪悪なイメージ」を持っていたのですが、まさか主人公側が使うとは予想外でした。ただ、これまでの矢や聖者の遺体とは違った「呪いを伴うパワーアップ」な印象を受けます。「クレイモア」とか「鋼の錬金術師」とか「からくりサーカス」とか「ファイアパンチ」みたいな。
外見のモデルチェンジに伴い、スタンド能力も新しくなっている可能性ありますね。ジョルノや吉良はそうでしたから。
え、密葉も該当するかって?それは余計な質問です。
余談ですが、定助がホリーさんの腕のメモ書きを「羽伴毅はやっつけたから安心して!」とか書き替えてるのを想像するとほっこりします。さらに「吉影って息子のほかに、京って娘もいるよ」とか書き足してたり。
いよいよ新ロカカカ探しを宣言した定助。院長を振り向かせるマストアイテムのために、ついに常敏との二度目のバトルになるのでしょうか。このタイミングでもう一度ムシキングしたら神展開ですが。
おまけ
ウルジャン目次の荒木先生のコメントは、
最近している運動はパワー・プレート。頭のてっぺんまでブルブル。
コレ、やまぴーもスポーツクラブで乗ったことありますが、マジすごいですよ。足元しか揺れてないはずなのに、振動がホントに脳天まで響きます。
体内の水分をダイレクトに揺らされているような、まるで波紋を食らったような衝撃(食らったことないけど)を受けます。
私事ですが、先日こんな本を買いました。
ゾンビ好きにはたまらない、そうでない人はまったく無用な『決定版ゾンビ究極読本』
ゾンビフリークの荒木先生は絶対買ってるはず。ゾンビランド2も公開するし、今月はゾンビ月間だな。
次回はなんと表紙&コミック22巻発売のダブルパンチ。イタリア行ったからてっきり休載だと思ってたのに嬉しいかぎりです。
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