こんにちは、やまぴーです。
今日は現在開催中のジョジョ展に行ってきたレポートです。
荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋
2018.8.24 – 2018.10.1(火曜休館)
国立新美術館(東京・六本木)
※ここから先は展示内容のネタバレありとなりますのでご了承ください。
これから観に行く予定の人は、行った後に続きを読んでもらえると幸いです。
国立新美術館
一般公開の初日に行ってきましたよ国立新美術館。最寄駅は西野七瀬でもおなじみの乃木坂駅です。
そしてここが国立新美術館の入口。
…と思ったら、こちら裏口のようでした。駅から直結してる場所なのになぜ?
せっかくなので裏口の看板を撮影。
そして今度こそ正面入口ィ!
こっちでも看板をパシャリ。
そして企画展示室2Eへ直行です。
チケットを見せて入場するとすぐに「音声ガイドリスト」の貸出コーナーがあります。
(公式サイトより転載)
これを借りれば展示コーナーの要所要所(約30分)で荒木飛呂彦先生(と恒松あゆみさん)のガイドが聞けるという優れモノ。荒木先生の原画の解説が荒木先生の甲高い声で聴けるなんて、ジョジョラーなら借りるしかありませんよ。
音声ガイドを首から下げて、いよいよ展示エリアへGOです。
1)ジョジョクロニクル
歴代ジョジョ達の数奇にして壮大な運命の物語を振り返る。
(公式サイトより転載)
まずはじめは1~8部まで、各部ごとにジョジョの物語を振り返る「ジョジョクロニクル」。各部の概要と主要キャラクターが紹介されています。
この時点からすでに、「なんでポコがいるのにダニーがいないんだ」とか「スモーキーも見当たらない」とか「6部でディオ紹介されてもいいんじゃない?」とか「大統領はデブってる絵のほうがよかった」とか、ジョジョラー各々の推しキャラによって様々な想いが交差しそうです。
なお、音声ガイドでは荒木先生が
「時代とともに考え方は変わるが、「人間賛歌」のテーマは変わらない」
と言われてました。
きっと連載が進むにつれて、ツェペリさんに子供がいたりジョースター家が代々短命じゃなくなったりDIOの性格に差が出たり鏡の世界が実はあったりするけど、「人間賛歌」のテーマは変わらない、ということでしょう。
2)宿命の星 因縁の血
主人公とライバルの信念が対峙する光と闇の空間。
(公式サイトより転載)
お次は歴代の主人公とライバルを対比させた「宿命の星 因縁の血」。
入って手前側が主人公エリア、奥側がライバルエリアです。
なお、各部の主人公とライバルが対面するスタイルで展示されています。なので、進行方向に沿って進むと、主人公側は1部のジョナサンから順番に8部の定助まで並んでいますが、ライバル側はいきなり岩人間、次にディエゴと大統領…というふうに逆の順番になっています。
音声ガイドで荒木先生は、
「『恐ろしいこと』を考えたときに『先祖からの因縁』が思い浮かんだ」
と言われてました。まんまジョジョのテーマですね。
また、「主人公=太い眉毛」という呪いにかかっていたことも告白。以前「主人公=マッチョ」の呪いにもかかっていたと聞いたことがあります。たしかに、80年代のジャンプは太マユマッチョまみれだったなあ。
そして、承太郎の決めポーズ(ガンフィンガー)のモデルがクリント・イーストウッドの「ダーティーハリー」であることも紹介。
映画の内容からすると、「俺が裁く」も彼が元ネタかも。
スペース中央には主人公とライバルの決めセリフが巨大短冊のように展示。
う~ん、プッチ神父のセリフの情けなさが際立っています。
たしかにプッチ神父といえば素数ですが、もうちょっとマシなセリフを選んであげてもよかったんじゃあないでしょうか。
「ジャン・クロード・バンダム」がどうとか、「NO断念!!」とか。
いや、「NO断念!!」はセリフじゃあなくてアオリか。
なお、7部の決めセリフはジョニィ&ジャイロvsディエゴ&大統領という豪華ダブル仕様。
8部はまだラスボス未定のため、定助のセリフのみ。
ダモカンがけっこういいセリフ吐いてるから暫定ボスでもよかったのに。っていうかダモカンっていいキャラしてるなあ。個人的にはラスボスでもよかったと思ってます。でも話が進んでスリム化するのは嫌。
3)スタンド使いはひかれ合う
個性豊かなスタンド使いが集結!歴代キャラたちが集まり空間を埋め尽くす。
(公式サイトより転載)
続いて、これまでジョジョに登場したスタンドが大集合の「スタンド使いはひかれ合う」。
ジョジョといって一番に浮かぶのはやはり3部から登場した特殊能力「スタンド」。そのスタンドが本体と共に一挙紹介とくれば、テンションが上がらないわけがありません。
おれの精神テンションは今! 学生時代に戻っているッ!
友人と欲しいスタンドを話し合ったり、ノートに自作のスタンドを描いてたあの当時にだッ!
ジョジョは連載当初から読んでるはずが、「ボクのリズムを聴いてくれ」や「元タマ」、「キャラバン・サライ」や「涙の乗車券」など、記憶にないスタンド名や本体名がチラホラ。
ミドラーの絵柄だけ他の3部キャラとテイストが違っていて、そういえばコイツはカプコンの対戦ゲーム用に新しく描かれたキャラだったなあ、と当時を懐かしく思ったり。
対戦で自キャラがマライアのときに相手がミドラーだと、全然近づけなくていつも負けてた思い出があります。影ディオを子供化させるとなぜかワンチェンになったり楽しいゲームでした。
スペース中央には美術家・小谷元彦さんのスタンドをイメージした彫刻も展示。
殺傷能力が高そうで5部に向いてる気がしました。
4)JOJO’s Design
ファッションやデザインにスポットを当てたアーティスティックな世界観が拡がる。
(公式サイトより転載)
なぜかここだけ英語の「JOJO’s Design」。
ジョジョの世界観を創り出すデザイン、色彩やポーズに焦点を当てたコーナーです。壁の色もここだけカラフル。
音声ガイドでは、荒木先生が
「ジョジョのデザインはファンタジーとリアルの融合」
みたいなことを言われてました。ファンタジーとメルヘンじゃあないです。
なお、原画展用に描いたディオのポーズはフィレンツェにあるメディチ家礼拝堂のミケランジェロの彫刻を参考にされたとか。
これかな?
今回の原画展を通して観ると荒木先生の時代ごとのマイブームがなんとなくわかって面白いです。
たとえば、2~3部あたりはエメラルドグリーン(音声ガイドでも説明有)、4部はピンクパープルが好き、6部はグラフィティ多め、3部後半あたりからスタンドにハート多め、5部はむき出しの歯が多め、カリメロ頭は各部を通じて受け継がれている、とか。
いや、確証はぜんぜんないんですけど。
奥のスペースには、デザイナー・森永邦彦さんが制作された、ライトが当たるとスタンド柄が浮かび上がるマネキン人形がありました。
どういう原理なのかサッパリわかりませんでした。
5)ハイ・ヴォルテージ
怒涛のラッシュシーンが押し寄せる空間でのバトルの高揚感に浸る。
(公式サイトより転載)
ジョジョ各部の最終決戦の原稿が掲載されていた「ハイ・ヴォルテージ」。
各部ともに12ページ、ガチ決着のシーンというよりは、ラストバトルで一番盛り上がっているところを掲載。
このコーナーは原稿が多かったためか、進むのが遅い遅い。
いやいや、みんなコミックで散々読んでるところでしょ。ゆっくり読みたいなら家に帰って読んでくださいよ。
と思いつつも、いざ自分の番になったらゆっくり読んでしまうこの不思議さ。生原稿の魔力です。ベタのところなんてインクが盛り上がってたもんなあ。
もちろん、帰って各部のラストは再チェックしました。
6)映像展示 AURA〈アウラ〉
スタンド誕生の瞬間をテーマとした映像空間。
(公式サイトより転載)
こちらは映像のコーナー。ここから先へ進むとUターン不可です。
こちらの映像では、各スタンドごとに様々な要素が集まって人型を成していきます。
映像の細かい内容は割愛しますが、テントウ虫ってやっぱ害虫なんだなあ、と思いました。あと、ジョニィのスタンドだけデブだな、とも。シルエットのカッコ悪さが歴代でもトップです。
なお、音声ガイド持ってる人はこのコーナーに入る前にクイズがあります。
でもジョジョ展にくるようなヤツなら絶対わかる問題です。もっと難しいヤツでもよかったのでは。
また、違う場合も「残念、不正解です」のコメントのみでしたが、恒松あゆみさんを起用されてるなら、「なんて!頭の悪い子たちでしょうッ!ガボッ!」と言ってほしかったです。
7)新作大型原画
荒木飛呂彦による完全新作の大型描き下ろし原画。
(公式サイトより転載)
今回の原画展の一番の目玉、大型原画12枚から構成される「裏切者は常にいる」。
どのキャラが起用されているかは割愛しますが、ちょっと意外なキャラもいます。
荒木先生は原画に入れるキャラはシルエットで選んだそうです。シルエットだったらダモカンやズィー・ズィーも入れてほしかったな(嘘)
音声ガイドの荒木先生いわく、「等身大の徐倫を彩色していると、お化粧をしてるみたいでだんだん愛着が湧いてきた」そうです。
じゃあ股間の石仮面を彩色してるときは、どんな気分になったんでしょうか。
っていうかディオの股間オブジェが荒木先生のマイブームになりつつあるんでしょうか。
イギーが優遇されすぎてる気がします。
吉良が誰かわからりませんでした。ネクタイと爪切りなかったらアウトでした。
徐倫のスタンドが女の子フォルムでかわいい。
アップでもすきっ歯を見せない定助。もはや忘れられた設定か。
この原画は後方の椅子に座ってゆっくり見るのがベネです。
ここまで立ちっぱなしで疲れたでしょうし。
右を向けば、彩色を失敗する荒木先生の映像を延々見ることもできます。
8)ジョジョリロン
斬新な発想と手法はいかにして生み出されるのか。荒木飛呂彦の創作の秘密に迫る。
(公式サイトより転載)
ラストは設定資料的なコーナー。
映像コーナーでは今回の巨大原画の制作ドキュメントを観ることができます。カーズに絵の具を垂らしてしまった荒木先生のパニクり具合は最高でした。
また、最新情報となるドクターウーと東方密葉のキャラ設定シートも公開。
羽先生の髪ってパンチパーマだったのね。
それより密葉のシートにあった「常敏が初めて」っていう設定にドキドキしてしまいました。安室とアン・ハサウェイが好きとかどうでもよくなるくらいに。
そしてキャラクターの原型となった映画キャラも紹介。ディオは『ブレードランナー』のロイ・バディ、露伴は『ナインスゲート』のディーン・コルソらしい。
そして編集者しか見られないネームも掲載。
うーん、荒木先生のネームって相変わらずよくわかりません。もうほぼフキダシと矢印だけじゃあないですか?
チェックする編集側もかなりベテランでないとキツそうです。
「ホラーはB級の方が好き」、「『オラオラ』の数も決まっている」と、興味をそそる内容が盛りだくさんでした。
撮影可能エリア
こちらは名前のあるコーナーではないんですが、自由に撮影していコーナーがあったのでもちろん激写してきました。
うーん、まっすぐで撮ったつもりが結構ズレてるね。
ジョンガリ・Aみたいに信頼できる『固定』が欲しいな。
おわりに
開催初日のため混雑覚悟で行きましたが、時間別入場のためかなりスムーズでした。
ちょっとアレなファンが「ウリィィ」って叫んだり音声ガイドでドッピオごっこやったりしてないか不安でしたが、そういう人たちはいなくて一安心。
思ったより若い人が多く、また外国からの人も多くてちょっとビックリ。というかうれしい。
展示も予想以上にクオリティ高くて良かったです。
おそらく作品に感動して知らない間に個人情報は抜かれているとは思いますが、作品づくりのためなら仕方ありません。
ただ、ゆっくり観てたらすげえ疲れました。
ジョジョ展のあとにルーブル展も行こうと思ったのに行けずじまいです。
これは可能なら何回か分けて行った方がいいでしょう。
っていうことで近々2回目に行くつもりです。
大阪も予定が合えば行きたいなあ。
なお、今回の原画展の前後にジョジョとのコラボ企画を展開しているメルセデスミー東京にも行きました。
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