![ジョジョ第6部アニメ『エピソード01 石作りの海』あらすじ・感想・考察[ジョジョの奇妙な冒険第6部 ストーンオーシャン]](https://yamapy.net/wp/wp-content/uploads/2022/01/stoneocean_anime_01_title.jpg)
アニメ ストーンオーシャン『エピソード01 石作りの海』について、ジョジョ歴35年の管理人やまぴーがネタバレありであらすじと感想・考察、さらに漫画版との相違点について語らせていただきます。
※ここから先はアニメの内容に加えて漫画版の広範囲なネタバレもあります。ご注意ください。
今回放送分のエピソードが収録されているコミックスはこちら↓
『石作りの海』のあらすじと感想
はじめに『石作りの海』のあらすじについて、感想を入れながら紹介します。
はじまりはいつも雨
舞台は雨の降る道路。交通事故の現場に立つ主人公の空条徐倫(くうじょうじょりん)と血まみれの被害者の姿があり、荒木先生っぽい筆跡で「西暦2011年10月28日」と記されています。
舞台は変わり留置所。徐倫の「マスターベーションを看守に見られた」告白に、ほかの囚人たちが湧き上がります。まるで修学旅行の夜みたいです。
アニメ版だと、マスターベーションより「ひとりエッチ」って単語にドキドキしますね。あとは「てめーだってやるだろーが！」にも。
トークを盛り下げようとする唇ピアス女に対して「左手薬指がエロい」と謎の占いをかます徐倫。ジョジョシリーズ定番の「初回だけの特技」は健在です。「飛びてえ」も健在でした。
どうでもいいけど、ピアス女の外見が全然エッチ系じゃないですよね。需要有るのか？
あっ、今は女性の外見イジると怒られるんだ。面倒くせえなオイ。
同じ留置場にいたエルメェス・コステロに罪状を尋ねられ、「無実」と答える徐倫。接見室でヒツジ顔の弁護士と面会します。弁護士いわく、徐倫は前科があるため保釈は認められず、刑務所内の管理ジェイルに移送されるとのこと。
とんがり耳もさることながら、ネクタイの「？」マークが目立って話が入ってきません。時期的に「ザ・バットマン」のリドラーが浮かんでしまいます。
とりあえず、弁護士から一度だけ「ジョジョ」と呼ばれて通過儀礼を済ませる徐倫。そして差し入れのブローチでド派手にケガをしてスタンド能力もゲットです。
こんなにド派手に出血する刃物を、被告人に面会で渡していいんでしょうか。いや、「スタンド使いだけ矢が反応する」と考えるべきでしょう。ブローチには徐倫の父・空条承太郎(くうじょうじょうたろう)と母の写真もあります。
こちらも承太郎の帽子のマークが奇抜すぎて話が入ってきません。冷静に考えると二人ともポーズもおかしいです。承太郎のネグレクトを恨んでいる徐倫は、悪態をつきながらブローチを捨ててしまいます。
改めて見ると「ジョジョ呼び」「スタンド発動」という初回の二大タスクを一人でやってのけてた弁護士は幹部の資質アリですね。
徐倫は州立グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所および管理ジェイル、別名「水族館」に移送されます。
移送中の車内、徐倫は留置所の女子会で友情をはぐくんだエルメェスと友達に。エルメェスは徐倫に、刑務所では現金がないとヤバいこと、さらにエルメェス自身はおっぱいの中に現金を隠していることを伝えます。
出会ったばかりの相手にここまで教えるとは、下ネタで繋がった友情は固いですね。あるいはファンから「兄貴」と慕われるエルメェス自身の面倒見の良さでしょうか。
刑務所に到着した輸送車から囚人たちは降ろされますが、エルメェスはなぜか車内へ残されます。そして色彩反転タイムに突入。2Pカラーになったキャラたちのバトルが始まります。
この演出、マジ燃えるわ。
なぜか自身から伸びる糸により車内の会話がわかる徐倫。戸惑いながらも徐倫は、看守からカネを巻き上げられそうになるエルメェスを糸で助けます。自業自得ながら半分耳なし芳一になるイケメン看守。
糸を伝わって垂れる血、一般人にはどんな光景なんでしょう。
弁護士のくず
管理ジェイル内での面会室、徐倫は弁護士から事故当時の様子を尋ねられます。それを合図に回想シーンがスタート。
徐倫とイチャついていた恋人のロメオが、わき見運転により人を撥ねてしまいます。フロントガラスにメガネがブッ刺さるほどの完全ノーブレーキ事故です。
救急車を呼ぼうとする徐倫をロメオが阻止。さらには交通事故そのものを揉み消そうと計画します。被害者はもう死んでしまったのだから、自分が捕まっても被害者は生き返らない、とロメオは言います。
事故現場には血痕やブレーキ痕あるから逃げられない、と言う徐倫。しかしロメオは車を盗まれたことにするつもりです。ドライブレコーダーがある現在なら絶対に通用しなそうな計画です。でも今なら自動急ブレーキもあるから大事故もなかったかも。
恋人ロメオに懇願された徐倫は、死体を車のトランクに入れ、沼地へ遺棄する手伝いをしてしまいます。うーん、この行動はちょっとなあ。交通事故の揉み消しと死体遺棄で、どう考えても「無罪」ではないでしょう。
後日、ロメオの車に残っていた酒瓶により徐倫が逮捕されてしまいます。それくらい始末しとけよですね。徐倫は弁護士に、ロメオが運転していたのかと聞かれますが「言えない」とだけ答えます。
このままでは不利と考えた弁護士は、徐倫に「司法取引」を勧めます。罪を認める代わりに減刑と執行猶予を狙う。徐倫は渋々ながら提案を了承します。
しかし判決の日、徐倫は「息のある被害者を沼地に捨てて改めて殺害」したとして、懲役15年の判決を言い渡されるのです。聞き覚えのない罪状に驚く徐倫の目の前で、弁護士のツラ構えが凶悪化します。
実はこの弁護士、裏でロメオと繋がっていたのです。弁護士の真の目的は徐倫の弁護ではなく、ロメオの罪を徐倫におっかぶせること。そして目的は無事達成されました。
ここの展開はちょっとわからないんですが、徐倫は自分が殺人罪で起訴されたことを知らなかったのでしょうか。弁護士が被告を騙せるものなのかな。やまぴーは起訴されたことないからわかりません。
もうひとつ、徐倫は被害者をトランクに入れてますが、そこで生きていることに気づかなかったのでしょうか。気づかなかったのなら、ロメオも本当に死んでると勘違いしたんだと思います。
とはいえ、ロメオがゲスいことには変わりませんが。ゲス二人のやり取りを糸によって聞いた徐倫は絶叫を上げます。「15年！15年！15年！」ここの絶叫はシビれるなあ。
私刑執行中脱獄進行中
彼氏と弁護士にハメられて、グリーンドルフィン刑務所で懲役15年となった徐倫。本名の代わりに「FE40536」という番号を与えられ、看守から身体検査という名のストリップを強要されます。
この看守、ツラも声もめちゃくちゃ良いんですけど。第六部のパーティーに加えたいレベルです。そんな新キャラの脅威に、「主人公はアタシだ」と言わんばかりにケツ穴を見せつける徐倫。
すごい絵面だな。コレ地上波OKなんですね。20年前の少年ジャンプでもOKだったから大丈夫か。マウントに失敗して戸惑う3つ山頭の看守がかわいいです。
第六部でおなじみの写真撮影を終えた徐倫が鉄格子から外を見ると、そこには刑務所内を歩くヒツジ顔の弁護士の姿が。徐倫に関する書類を提出に来たようです。そしてロッコバロッコ所長に会うと、徐倫のためにウソ泣きを始めます。
ここも所長の造形がヤバすぎて会話が入ってきません。所長ってこんなに目玉が飛び出してたっけ。デメ金とかモンハナシャコのレベルになってるぞ。
目が異常な所長は耳が異常な弁護士に、徐倫から預かった手紙を渡します。手紙とはいえ紙を折っただけのもので、内容もチェック済みとのこと。弁護士が帰りの車内で手紙を開くと、そこにはこんなことが書かれていました。
彼にも伝えて。
快適？
でも汗はかき続ける
今も… これからもずっと。
Jolyne Cujoh 空条徐倫
弁護士は徐倫の手紙を丸めて捨てると、車内のエアコンのスイッチを入れます。すると突然、弁護士の首に巻かれていた糸が絞まりはじめました。徐倫が手紙と共に能力の「糸」を入れていたのでしょう。
弁護士の首に巻き付いた糸はエアコンの風により乾燥し、弁護士の首を絞め上げます。まるで必殺仕事人じゃないですか。しかも遠隔自動操縦。切り離しても使えるなんてすごい。
糸を外そうとパニクった弁護士は、道路わきの壁に激突。そのまま再起不能(リタイア)です。わかりやすいまでの因果応報。そうこなくっちゃ。
一方、グリーン・ドルフィン刑務所では徐倫が捨てたブローチを拾った何者かが不敵に微笑んでいました。
キャスト一覧でグェスだとわかるんですけどね。
『石作りの海』の原作との相違点
アニメ『エピソード01 石作りの海』は、漫画版ストーンオーシャン第1巻の『石作りの海その①～③』の3話分に相当します。ページ数が多かったためか、細かいセリフやエピソードがいくつかカットされています。
たとえば、留置場で鼻ピアス女囚がボタンを削ってナイフにするシーンや、徐倫のストリップをエルメェスが見物するシーン、徐倫がホルモン注射を打った女を見て驚く「人類の夜明け」シーンなど。
徐倫が自宅で逮捕されるシーンもカット。こちらは徐倫の母親が登場するシーンなのでちょっと残念です。
残念といえば、徐倫が拘束衣で締め付けられるシーンはカットしてほしくなかったかな。「クーラーで乾燥して縮む」というのが、弁護士の首絞めに繋がるのでアニメ初見では分かりづらい気がします。
とはいえ、冒頭のマスターベーションという爪痕を残したのは見事です。
そういえば「イケメン看守がトムクルーズ似」という表現、やまぴーはZ世代に理解できるか心配してましたが、カットされてましたね。でも顔はしっかりトム似でしたね。
パンツ履き忘れシーンも一緒にカットされたのは残念ですが。
また、原作を補管する改変は、ストーンオーシャンでも健在です。
例えば、事故を起こしたロメオが漫画版では「雨が証拠を消す」と言ってましたが、アニメ版では「盗まれたことにすればいい」と、始めから盗難になっていました。
エルメェスが金を巻き上げられるシーンでも「筋肉質の割に胸がデカい」と、さりげなく陸上競技をやっていた伏線が張られています。
また、弁護士への手紙はアメリカという舞台を考慮して英語に変更。しかし、糸を伝わる言葉は日本語のままというバランスの良さ。ココのアニメーションはカッコよかったです。
さらに、ラストでブローチを持っている人物がアニメ版ではグェスに変更され、セリフも「これ…ホント面白い…」に変わっています。「クク……もうけ」と邪悪なセリフを吐くエルメェスを消し去ったナイスな改変です。
第六部でも脚本の小林靖子さんはヤベエ手腕を発揮してますね。
『石作りの海』のまとめと考察
アニメ ストーンオーシャン『エピソード01 石作りの海』をまとめると、ポイントは以下のとおり。
- 空条徐倫は恋人ロメオの交通事故をかばい、無実の罪で逮捕される。
- 徐倫は父親の空条承太郎に渡された石により、身体から糸が出るようになる。
- 徐倫は糸を操り、看守に襲われていたエルメェスを救う。
- 弁護士に復讐を果たした徐倫は、刑務所から脱獄することを決意する。
ジョジョシリーズ初の女主人公、しかもひとりエッチ発言から始まりストリップまでやってのけるという、はじめからクライマックスな第一話でした。
ネタバレすると、その後はオッパイを見せることもなく最終回を迎えるわけですが。
女性という以外にも、連載当時は「英国紳士から始まったジョースター家の血統も、不良、ギャングを経て、ついに囚人にまで落ちぶれた」と古参ファンから嘆かれたものです。
やまぴー的にはスタンド能力が「糸」というのが斬新でした。それまで仗助、ジョルノと主人公とはいえチートな能力が続いたので、ショボいけど汎用性ありそうな能力に惹かれたのを覚えています。
アニメの感想としては、一話分の内容が濃くて驚きでした。カットされてる部分まであったし。やまぴーが子供時代のアニメのドラゴンボールなんて、クソみたいなアニオリ話が入ってたのに。または原作の展開を貧乏人が飲むカルピスみたいに薄めまくってたのに。
また、アニメ版はモブキャラが濃いですね。ぶっちゃけ弁護士と所長とストリップ看守以外は記憶にないくらいです。動きや声が加わるとこんなにキャラが立つのか。第六部のモブたちでスピンオフやってほしいくらいです。
そして今回もアニメオリジナルの改修は見事でした。あと、たまに登場する荒木先生にソックリな筆跡がすごい。スタッフの誰かが練習したんでしょうか。第四部の吉良が必死に川尻の筆跡を練習してたみたいに。
第一話を見る限り、今後も十分に期待できそうな内容でしたね。次回も楽しみです。
最後にジョジョ初心者の人にトリビアをいくつかご紹介。
ストーンオーシャンは、これまでのジョジョと違い「ジョジョの奇妙な冒険」が副題になった仕切り直し的な存在でした。コミックスも新たに1巻から始まっています。
徐倫の服のデザインは「クモの巣に囚われた蝶」という徐倫自身を表しています。
荒木先生には娘さんがいらっしゃいます。そして娘の成長と共に描かれたと思われるエピソードがいくつかあります。第四部の透明な赤ちゃん、第六部の空条徐倫、第八部の鳩ちゃんのボーイフレンドなどは、父親目線で読むと面白いですよ。
今回放送分のエピソードが収録されているコミックスはこちら↓
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