集英社より発行されている言論誌『kotoba』の2019年冬号(No.34)「孤独のレッスン」に掲載された荒木飛呂彦先生のインタビューを紹介します。
kotobaとは
kotobaは「多様性を考える言論誌」として2010年9月に集英社から創刊。季刊誌として年四回発行されています。
特集テーマが毎回バラエティに富んでいるのが特長で、これまで「宇宙」「死」「美術」「南方熊楠」「ブレードランナー」「孤独」「シャーロック・ホームズ」「スティーヴン・キング」などが特集として取り上げられています。
kotoba2019年冬号の特集について
kotoba2019年冬号の特集は『孤独のレッスン』です。
古今東西、様々な思想家や文学者たちが孤独と向き合い、独自の思索世界を作り上げてきた。一人を恐れず、群れない孤高の人生を選択した賢人たちの言葉に耳を傾けながら、最高の孤独を楽しむ術を考える。
<集英社公式サイトより>
kotoba2019年冬号の荒木先生インタビュー
荒木先生のインタビューのタイトルは『孤独のゾンビ映画論』
孤独とは、あらゆるエンターテイメントの必須要素であり、飽くなき探求の対象であるという荒木先生。数ある映画ジャンルの中から、特に「心地よい孤独」を感じるゾンビ映画について語られています。
以下、個人的に気になった箇所をピックアップします。
ヒーローの第一条件は、「たとえ社会に認められなくても、自分の信じる道を突き進んでいる孤独な人であること」です。
僕の場合は、趣味でよく観ているゾンビ映画に「心地よい孤独」を感じることが多いですね。
そして、そんな絶望的な状況にいる人たちの物語を、自宅のソファーに座ってくつろぎながら観ているときの逆説的な幸福感……これこそがゾンビ映画を鑑賞する醍醐味です。
「誰もいなくなった街で、生き残った人間が好き放題に遊んでしまう」というのは、ゾンビ映画のお決まりパターンでもありますね(笑)。
常に極限状態であり、パニック状態だからこそ、「下の階に逃げればいいのになんで二階に上がるんだよ!」みたいなツッコミどころも許せてしまう。
その選択が正しいか間違っているかは、あとになってみないとわからない。ゾンビ映画にも『ジョジョ』にも、そういう側面はあると思いますし、最後は誰にも頼らず、誰のせいにもせずに自分で選択し、その責任をとるというのも、通じている部分かもしれません。
『ジョジョ』の場合、いつも物語のクライマックスはあまり考えていません。
僕はゾンビ映画だけど、高橋先生(※遊戯王の作者)はサメ映画を相当観ているんです。なので、ゾンビ対サメで、かなり議論しました。
最終的には、サメ映画の必須要素は「エロ」だという結論に至りました。必ずビキニの女の子が出てくるサービスシーンがあるんですよ。
一方で、ゾンビ映画の必須要素は「ボスの不在」です。やはり、ボスを倒せば助かるという世界では甘すぎるんです。
僕にとって、映画は癒しなので、観るというよりは「浸る」という感覚なのです。
はじめに「孤独=ゾンビ」だと言い切って、自らのゾンビ愛を存分に語る荒木先生。正直、孤独というよりゾンビ映画についてのインタビューです。本当にこの人はゾンビが好きなんですね。
しかも途中からはサメ映画まで出てくる始末。誌面でもいちばんエンタメ色の強いインタビューになっています。
興味のある方は、ぜひ全文を読んでみてください。
<ぞんび映画>
<サメ映画>
kotoba2019年冬号目次
特集 孤独のレッスン
lessonⅠ 孤独上手たち
齋藤孝 仏陀に学ぶ、単独者としての作法
中条省平 孤独と追放――アルベール・カミュ最後の10年――
奥本大三郎 永井荷風――独身者の悦びと不安
南條竹則 孤独の詩を読む――ポオとラヴクラフト――
鈴木雅生 サン=テグジュペリ――人生と思索を鍛え上げたもの――
岸見一郎 三木清と孤独
新元良一 ソロー『森の生活』が語りかける声
適菜収 孤独の哲学者ニーチェlesson Ⅱ いかに孤独と付き合うべきか
下重暁子 孤高の俳人 尾崎放哉と山頭火
シェリー・タークル SNS時代の孤独術
岸惠子 “孤独”を取り込み、自由に生きる
田中慎弥 引きこもり作家のリアル
高村友也 「意識の孤独」の手綱を引いて生きるlesson Ⅲ 孤独の深層にせまる
田中未知 寺山修司が遺した「言葉」の力
林望 隠遁者の孤独
荒木飛呂彦 孤独のゾンビ映画論
石戸諭 ジョン・ル・カレが描くスパイの孤独
吉川浩満 サピエンス――孤独な種の恍惚と不安――
角幡唯介 単独行がもたらす究極の孤絶
山下裕二 つげ義春『海辺の叙景』――孤独な状況で読んだ、孤独を突きつめたマンガ
つげ義春 『海辺の叙景』コラム「孤独の名言」
(一部省略)
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