やまぴーは週に一度、万里さんというハウスダンサーのダンスレッスンを受けてます。
レッスンを受けはじめてもう5年以上になるでしょうか。
しかし、万里さんのレッスンはたまに集中できなくなることがあります。
しかもその原因は万里さん自身にあるのです。
もしかしたら、この記事を書くことで万里さんの評判を傷つけることになるかもしれません。
それでも書かずにはいられないのです。
万里って誰よ?
やまぴーのブログを読んでくれてる人の大半は万里さんのことを知らないでしょう。ですので、まずは簡単に万里さんの説明から。
万里(ばんり)さんは、ハウスダンス(House Dance)というジャンルのダンサー兼インストラクターです。ハウスダンスは簡単に説明すると「速いテンポでステップを踏むダンス」です。
某プレコリオ誌ではハウスダンスのことを「まるでエアロビクスのような」と紹介してましたが、ハウスダンサーに「ハウスってエアロビみたいな感じですか?」とか聞くと絶対イヤな顔されるので止めましょう。
万里さんはYOUTUBEに公式チャンネルも持ってます。
やまぴーのブログを読んでる大半はMOSSAファンでしょうから「ナショナルトレーナーならともかく、個人のイントラなんて知らない」って感じでしょう。
しかし、YOUTUBEで万里さんのチャンネル登録者数は2022年7月時点で1.8万人です。対するMOSSAの登録者数は1万人に届かない9900人です。
上に貼ったステップの動画は33万回再生されてます。世界規模で見れば「BANRIは知ってるけど、MOSSAって誰だい?」だとご理解ください。
ていうかMOSSAもっと頑張ってよ。レズミルズの登録者数は86万、ラディカルも4.1万だよ。
「しんきゃく」って何よ?
ここからが本題です。やまぴーはもう5年以上、万里さんのハウスダンスのレッスンに参加しています。
ですが、いまだにレッスンに集中できないときがあります。しかも、その原因はインストラクターである万里さんの「言葉づかい」にあるのです。
例えば、万里さんはレッスン開始時のストレッチで、生徒に向かって「伸脚をしてください」と言います。
「伸脚」とは文字通り脚を伸ばすストレッチのことで、サイドランジなどを指します。
この説明を文章で読む場合には問題ありません。
しかし、実際にレッスンで聞くことを想像してみてください。漢字ではなく「しんきゃく」とだけ聞かされた場合に、何を想像するか。
大半の人は、打撃と同時に大地を踏む中国拳法の『震脚』を想像するはずです。
どちらも同じ「しんきゃく」です。というか、やまぴーが万里さんとレッスン前後にする会話といえば大半が漫画の話です。エアマスターとか拳児とかバーチャファイターの話とかしてる相手から「しんきゃく」と言われたら『震脚』が浮かぶのも当然でしょう。
ベテランのインストラクターだというのに、「紛らわしい説明をしない」というイントラの基本ができていない、と言わざるを得ません。
ですから、万里さんに「しんきゃく」と言われるとやまぴーは大いに困惑します。
「俺が本気で震脚したらどうなるか分かってるのか?」という気持ちになります。
足首に巻いた重り(床に落とすと「ゴドッ」と鈍い音を立てて床がめり込み、場外がどよめく)を外したくなります。
やまぴーが本気で震脚したら、メガロスはもちろん、下のフロアで営業してるオーケーストアにまで振動が伝わってしまうワケですがいいのでしょうか。
『ズシンッ』という振動とともに、オーケーストアの天井からパラパラとホコリが落ちてくることになってもいいのでしょうか。
ホコリが惣菜コーナーの揚げ物に落ちて、激怒したオーケーの店長がメガロスに怒鳴り込んでくることになってもいいのでしょうか。
万里さんが責任を取って買い取ることになってもいいのでしょうか。何日か揚げ物の食事を続けることになってもいいのでしょうか。
もしくは、レジ打ちのアルバイトをしている中国人留学生が「ホゥ、日本人にしてはイイ功夫してるネ」と、振動だけでやまぴーの強さを理解してくれるかもしれません。
そしてやまぴーは帰り道に待ち伏せされるかもしれません。中国人から「アナタに恨みはナイけど、五獣会の脅威になる前に消すネ」と言われ襲撃されるかもしれません。
それまで糸目のニコニコ顔だった中国人が急に三白眼の釣り目になり、クナイにロープをくくりつけた武器で襲ってきます。
彼のまわりには京劇の仮面をつけた部下たちもいます。部下たちはウルヴァリンの爪みたいな武器です。
なんとか中国人を倒しても、「奴は四天王の中でも最弱よ」と、次はロシアから来たシステマ使いに襲われます。その次はブラジルのカポエラ使いです。
カポエラ使いの蹴りを後頭部に受けたとき、意識が飛ぶと同時に覚醒します。
カポエラ使いが敗れるときに「クッ、やはり獣拳の血を甘く見るべきではなかった…」と意味深な言葉を残します。そして胸ポケットから一枚の写真が落ち、そこには幼い頃に行方不明となった父親の姿が。
そして一号休載したのち、回想編に突入します。
その後、パワーインフレする敵を倒し、奥義を取得し、仲間も増やし(四天王は全員味方に)、最後は「神」とか「ガイア」とか呼ばれる人知を超えた観念的なラスボスと戦います。
「地球にとって人類は害悪でしかない」という結論のもと、全人類を抹殺しようとするラスボス。
でもちゃんと人型サイズになって肉弾戦に付き合ってくれます。
これまで戦った好敵手たちも思念体としてラストバトルに参戦。激戦ののちに、老人の姿にトランスフォームした神から「フム、もう少しお前たち人類の可能性に賭けてみるか…」との言葉をもらい人類滅亡の危機は去ります。
翌週は感動のフィナーレを迎え、タイムラインのトレンドにも入ります。コミックス最終巻の表紙は全キャラ登場でファンは感涙です。
しかし、次回作はあまりヒットすることなく連載終了。その次はさらにパッとせず伏線未回収のまま終了。新連載ごとに巻数が少なくなっていきます。
宣伝文句も毎回『(デビュー作)の〇〇先生新連載!』になっていて、「もしかして俺は一発屋なのか?」と複雑な気持ちになります。
その後、構想に一年を費やした新連載がコミックス二巻分で打ち切られたことにより自分の賞味期限がすでに過ぎていることを理解。
青年誌に移行してデビュー作の二世モノの連載をスタートします。デビュー作の版権もパチンコ屋に売却です。
…みたいな漫画家ってけっこういるよな、とか思ってるとすでにストレッチは終了。レッスンではリズムトレーニングが始まっているのです。
アメリになるけぇ
万里さんの紛らわしい言葉づかいにより、ストレッチが不十分になってしまったやまぴー。
インストラクターとは、生徒がレッスンに集中できる環境を作るのが仕事です。万里さんには猛省していただきたく思います。
イントラは生徒をレッスンに集中させなくてはいけません。妄想させてはダメです。アメリみたいにさせてはいけません。アメリって久しぶりに言ったな。
ちょっと前の映画かと思ったら2001年の映画でした。いや、2001年なら「ちょっと前」ですね。40歳以上にとって、2000年以降はすべて「ちょっと前」です。2010年以降は「最近」です。
アメリって映画より役者さんの名前がインパクトあるんですよ。「オドレイ・トトゥ」ですよ。フランス語だけど岡山弁の「おんどれ」みたいですね。
やまぴーは岡山県民なので、「おんどれ」とか普通に使ってました。「カバチ」とかも普通に使ってました。
「仁義なき戦い」のおかげで広島弁はヤクザ言葉として有名です。
ですが、広島弁より岡山弁のほうが言葉づかいが汚いことは意外と知られていません。
やまぴーの高校の先生は「広島から岡山に赴任した当初、生徒の言葉づかいが怖かった」と言ってました。
岡山弁はお笑い芸人に岡山出身が増えてきてメジャーになった感ありますね。なかでも筆頭といえば千鳥の二人でしょう。
でも一般的に定着している「岡山弁=千鳥」のイメージは、岡山県民からすると納得できないです。というか、やまぴーはあんな岡山弁は聞いたことないですよ。
ありゃあほんまに岡山弁かのぅ。わしゃああねえなん聞いたことねぇでぇ。
岡山でもだいぶ田舎の地方なんでしょうか。
空気階段のかたまりとか見取り図のリリーとかの岡山弁のほうが、メジャーな岡山弁です。
かたまりは岡山弁を馬鹿にされたのが理由で慶応大学を三ヶ月で辞めてます。岡山県民の誇りです。
一方で、岡山弁を「じゃがいも星人」呼ばわりした内部進学の慶大生は、岡山県民に見つかれば鬼退治されるでしょう。
でも今じゃ学生サークルの陽キャなモテ男たちが、必死に千鳥のモノマネして岡山弁を使ってるワケです。
「クセがスゴい」とか、ただの標準語なのに岡山弁だと思って使ってるワケです。熱いです。ヤバいです。間違いないです。
岡山弁を馬鹿にされて大学中退してお笑い芸人になる奴がいる一方で、お笑い芸人のマネして岡山弁を使う陽キャ大学生いるとか、もはや食物連鎖のように岡山弁が循環しています。
ていうか陽キャ大学生がウケたい相手なんてコンパの女ぐらいだろ。わざわざ岡山弁を覚えなくてもEXITや土佐兄弟のネタ言ってりゃ十分じゃないですかね。知らんけど。
とか考えてると、すでにリズムトレーニングも終わっているのです。レッスンはもう後半に突入しています。
この妄想についてはやまぴーが勝手に始めたことで、万里さんは無関係だと思われるかもしれません。
しかし、やまぴーが妄想することとなった発端は「しんきゃく」にあるワケです。
ということは、連鎖倒産や玉突き事故と同じで、責任ははじめの万里さんにあると言わざるを得ません。
スネイクを入れる?
万里さんのせいで、レッスンの半分以上の時間を無駄にしたやまぴー。もはや全集中でレッスンに参加するしかありません。
しかし、そんなやまぴーの決意を揺るがすかのように、万里さんの翻弄は続くのです。
振り付けの最中に、万里さんは「ここで、スネイクを入れて…」と言ってきます。
おいおいおい、「スネイク」ってどのスネイクのことですか。選択肢が多すぎて判断できませんよ。
テニスの王子様で海堂がやった『ブーメランスネイク』のことでしょうか。
それともGetBackers-奪還屋-の美堂蛮がやる『蛇咬(スネークバイト)』のことでしょうか。
もっとメジャーどころでワンピースの『ギア4スネイクマン』のことでしょうか。
黒執事にも『スネーク』って奴がいた気がします。
いや、万里さんはただのスネイクではなく、「スネイクを入れる」と言ってました。ってことは、ストーンオーシャンで『ホワイトスネイクがスタンド能力のディスクを入れる』ことを指しているのかもしれません。
いやいや、もしかしたら「スネイク」を「入れる」わけですから、メタルギアの『こちらスネーク、潜入に成功した』を指しているのかもしれません。
ソリッド・スネークを潜入させるなんて余程の事態です。やまぴーが呑気にハウスダンスしている間に、何が起こったのでしょうか。
範馬勇次郎が気まぐれで永田町でも襲ったのでしょうか。原子力潜水艦がいきなり独立国家でも宣言したのでしょうか。
いずれにせよ、国家の存亡が懸かった事態であることは間違いないです。しかも真の黒幕は政府そのものかもしれません。
凶悪なテロ組織を潰滅する戦いだったはずが、実は政府が石油利権を拡大するために仕組んだ戦争だった。官僚たちの立ち話により真実を知ってしまった主人公。
上官に報告するも「黙っていれば階級を上げてやる」と懐柔されそうになります。
真実を伝えるため新聞社へ機密データを送信しようとした瞬間、別ウィンドウが開きそこには誘拐された妻と娘の姿が。
すっかり悪役ヅラになった上官から「馬鹿なヤツめ」と叱責されます。
手錠をかけられた姿で監禁小屋にいる家族と対面。「もはやこれまでか」と思ったところに一台のバンがガレージをブチ破りながら登場し、海兵隊時代の仲間たちが登場します。
旧友たちは見事な手際で主人公と家族を救出。そして政府へ反撃開始です。
ヘリコプターから列車に飛び降りたり、親の金で買った高級車を自慢する馬鹿息子から車を拝借したり、その車で高速道路を逆走したり、eスポーツ大会で優勝経験のある中学生がジャンボ機を胴体着陸させたり、ハッキングに詳しい仲間がエンターキーを押して政府機関の電力を一瞬でシャットダウンさせたりします。
近年のトレンドであるLGBTシーンも入っています。もちろん中近東では上映禁止です。
クライマックスはうろたえる上官に「ファックユー、サー」と右ストレートを一発。
日頃から上司への鬱憤を溜めている観客は、スカッと留飲を下げてスタンディングオーベーションです。
超人的な強さを見せた主人公ですが、ラストは娘からボーイフレンドを紹介されてオロオロします。
その姿を「やれやれ」と苦笑する仲間たち。そしてエンドロール。
そうそう、「スネイク」っていうのはステップの名前でした。だったらちゃんと「ダンスステップのスネイクを入れる」と説明してもらわないと分かりませんよ。
紛らわしいったらありません。
あとがき
やまぴーが万里さんのレッスンに集中できない理由について、皆さんもご理解いただけたでしょう。
ですが、やまぴーとしてはメガロスにクレームを入れるなど、事を荒立てるつもりはありません。
万里さんが間違いに気づいてくれるまで、辛抱強く待つつもりです。
しかし、万里さんは今日もストレッチで「しんきゃく」と言ってます。
これは一体どういうことでしょう。
やまぴーが本気で震脚してもいいと思ってるのでしょうか。
振動が建物全体に伝わっても構わないのでしょうか。もし上のフロアで、ドミノ世界記録に挑戦しようと――