こんにちは、やまぴーです。
今回ご紹介する映画は、ブロックバスター(大ヒット)映画の代名詞になりつつある、『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの最新作『ブラックパンサー』です。
「ブラックパンサー」予告編
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にフライングで出演。
おなじくフライング出演した若造のスパイダーマンにピン映画としては先を越されつつも、満を持しての登場です。
『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては、第18作品目の作品となり、この次にはシリーズの集大成である『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が控えています。
マーベルファンとしては、期待が高まる一方ですね。
まずはあらすじとキャスト、そして感想はネタバレあり/なしのふたつです。
あらすじ
若き国王ティ・チャラ、またの名を漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>。
2つの顔を持つ彼の使命は、祖国である超文明国家ワカンダの“秘密” ──“ヴィブラニウム”を守ること。
それは、世界を破壊するパワーを秘めた鉱石だった。
突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、人類の未来をも脅かすこの国の“秘密”を守る使命を負う事に。
だが――「私に、使命が果たせるのか…?」
ミステリアスな新ヒーローが躍動する、ハイスピード・アクション・エンターテイメントが幕を開ける! (公式HPより)
何が言いたいのかよくわからないあらすじですが、要するに今回のヒーロー『ブラックパンサー』と彼の治める国「ワカンダ」には秘密がたくさんあるぞ、ってことです。
で、その秘密を狙って悪いやつらがたくさん来るわけです。
なお、公式ページにはワカンダとブラックパンサーの説明もありました。
ワカンダの秘密
秘密① :最新テクノロジーが発達した超文明国ワカンダ。だが誰もその実態を知らない。
秘密② :ワカンダ国王となるものは、ブラックパンサーに任命される。
秘密③ :世界を崩壊させるパワーを秘めた鉱石「ヴィブラニウム」を隠している。ブラックパンサーの能力
ヴィブラニウム:キャプテン・アメリカの盾(シールド)にも使われている超金属。衝撃を吸収する貴重な鉱石。
戦闘スーツ:ヴィブラニウム製。戦闘モードに入ると自動装着され、すべての攻撃を防ぐ。
特殊能力:黒豹のような俊敏な動き、跳躍力をもつ。ヴィブラニウム・クロウはどんなものでも破壊できる。
(公式HPより)
おおっと、あらすじの秘密をすでにバラしてますね。ダメじゃん。
でも、映画ではブラックパンサーとワカンダの「別の秘密」についても触れてますのでご安心を。
登場人物
ブラックパンサー/ティ・チャラ – チャドウィック・ボーズマン
“秘密”を守る漆黒のヒーロー/父の遺志を継ぐ若き国王
突然の父の死によって、覚悟を持てないまま《国王》と《ブラックパンサー》の2つの使命を引き継ぐことになる。ヴィブラニウム製の漆黒のスーツは、戦闘モードに入ると自動装着され、すべての衝撃を吸収し、攻撃に変換。黒豹のような俊敏な動きで跳躍力をもつ。
エリック・キルモンガー – マイケル・B・ジョーダン
王位を狙う謎めいた男
元アメリカの秘密工作員で、ワカンダの秘密を知る。この国の王となり、ヴィブラニウムのとてつもないパワーを手に入れることができれば、世界を力で支配できると考え、ワカンダへの潜入を企てる。
シュリ – レティーシャ・ライト
国王の妹にして天才科学者
ティ・チャラの妹で、ワカンダの王女。好奇心旺盛の天才科学者であり、ブラックパンサーのスーツも開発する。ヴィブラニウムを研究し、最先端のテクノロジーを使った数々のアイテムを創り出し、国の発展に貢献する。
ナキア – ルピタ・ニョンゴ
愛する国王を支える女スパイ
ティ・チャラの幼馴染で元恋人。ワカンダの秘密を狙う外敵の情報を入手するため、そしてワカンダが世界から隔絶しないように、スパイとして世界各国に潜入する。
オコエ – ダナイ・グリラ
国王を守る誇り高き女戦士
歴代のワカンダ国王へ忠誠を尽くしてきた親衛隊ドーラ・ミラージュの現・隊長にして最強の戦士。王家から信頼が厚く、ティ・チャラが王子の頃から面倒をみる。ナキアとも親交が深く、二人の関係をあたたかく見守る。
エヴェレット・ロス – マーティン・フリーマン
“秘密”を探るCIAエージェント
ヴィブラニウムの密輸を企てるユリシーズ・クロウを追う。韓国・釜山で、クロウ一派のおとり捜査中に、ティ・チャラと再会する。
ウカビ – ダニエル・カルーヤ
強き国を願う国王の親友
ワカンダの国境を警備するボーダー族のリーダー。ティ・チャラの親友だが、国を思う気持ちが強く、時に厳しく進言することも。国王の親衛隊隊長オコエの恋人。
エムバク – ウィンストン・デューク
部族のために戦う国王のライバル
ワカンダにありながら、長い期間ワカンダ王家と距離を置いてきたジャバリ族のリーダー。ワカンダの首都ゴールデン・シティから遠く離れた山奥に棲む。
ラモンダ – アンジェラ・バセット
優しく心強き国王の母
ティ・チャラの母親で、ワカンダの女王。夫のティ・チャカ亡き後、王位を継承するティ・チャラへ国王としての自覚を持たせ、正しい道へと導く。
ズリ – フォレスト・ウィテカー
亡き王の思いを受け継ぐ導師
ワカンダの高僧として、国王即位の儀式を取り仕切る。亡き王ティ・チャカと、ズリだけが知る過去の秘密をいまも守りつづけている。
ユリシーズ・クロウ – アンディ・サーキス
”秘密”を狙う強欲な武器商人
ワカンダの秘密を知り、ヴィブラニウムの密輸を企てる武器商人。義手である左手には、エネルギー波を発砲するソニック・ブラスターが備わっている。
ネタバレなし感想
この映画をひとことでまとめると、
さすがはマーベル、安定のおもしろさ!
しかし後発がゆえの二番煎じ感が…
評価:★★★☆☆
さすがはマーベル、ヒーロー映画ファンが喜ぶポイントをよく押さえています。『ブラックパンサー』単体で観ればかなりおもしろい映画でしょう。
しかしながらシリーズ18作目の悲劇というか、過去のマーベル映画を観てる人にはどうしても「前に観たことある」二番煎じ感が漂うのも事実。
以下、ネタバレなしの範囲で良い点と残念な点を挙げます。
安定のおもしろさ
なんだかんだ言って「ブラックパンサー」はおもしろいです。
国王兼ヒーローという2つの顔の設定は、昔からウケる設定です。国務やってる時間があるのか心配ですが。
アフリカという場所から、精霊にでもスーパーパワーもらったヒーローかと思ったら、むしろ貴重鉱石ヴィブラニウムと科学力から生まれた理系ヒーロー。アイアンマンに近いです。
しかも国王ティ・チャラの妹のシュリが天才で、科学兵器バンバン作ってます。この娘、スタークより天才なんじゃないでしょうか。スーパー消音シューズにおちゃめな名前つけたり、装着式ビーム砲のデザインがパンサーで可愛かったりで、ガジェット好きは楽しめるシーン多いです。
ティ・チャラの仲間もいいです。しかもなぜか女だらけです。ハーレムです。ニューヨークへ行けば『星の王子』です。
しかも生身なのにすげえ強いです。マーベル世界のパワーバランスを崩しかねないほどに強いです。親衛隊のオコエにスーツ着せたら間違いなくブラック・ウィドウより強いでしょう。
ヴィラン(敵役)のキルモンガーもいいです。ワカンダの闇が生んだ悲しきソルジャー。DCコミックならダークヒーローとして活躍できそうなくらいです。いままでで登場してきたヴィランのなかでも、キャラの魅力はトップクラスではないでしょうか。引き締まったボディもカッコいいです。いや、ボディは国王もカッコいいな。
そのほかにも、今回の舞台に合わせたアフリカンなミュージックやカラフルな民族衣装など、音も映像もよかったです。
このように、「さすがはマーベル!」と思えるところはたくさんありました。
二番煎じ感がぬぐえない
しかしながらご長寿シリーズの宿命か、それとも原作コミックの設定のためか、二番煎じな箇所もたくさん。
王族設定は『マイティ・ソー』の方が問答無用で上だし、金持ち設定は『アイアンマン』の方バラ撒いてそうだし、必殺のヴィブラニウムの爪はシリーズ違うけど『ウリヴァリン』の方が痛そうだし。
ワカンダのカラフルな街並みも『バトルロイヤル』で観たような、空中戦は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で観たような、と過去のマーベル作品がチラついてしまいます。
途中のバトルシーンで、巨大な生き物が暴れまわるシーンがあるんですが、この映画を観てる人はかなりの割合で『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の「ハルクvsハルクバスター」を観てると思うので、それに比べるとどうしても迫力が…。
あと、お約束のエンドロール後の映像はパンチが弱かったです。
『バトルロイヤル』のエンドロール後ぐらいの迫力で『インフィニティ・ウォー』へ繋げてほしかったな。
と、『ブラックパンサー』は、良いところもあるけど、マーベル映画を観てる人間ほど、物足りなさを感じた作品だと思います。
おまけ:日本でも撮影して!
余談ですが、『ブラックパンサー』はロケ地のひとつが韓国でした。『エイジ・オブ・ウルトロン』に続いてまたもやです。韓国は国を挙げて映画産業を推してるから撮影しやすいんでしょう。
日本の偉い人にお願いです。日本でもアベンジャーズが活躍できるようにしてくれませんかね?
都庁にクモの巣を張るスパイダーマンを観たくないですか?
メイド喫茶で疲れを癒すアベンジャーズを観たくないですか?
日本のPRにもなるはずです。日本の偉い人、お願いします!
※ここから先はネタバレありです。知りたくない人は映画鑑賞後にまたお会いしましょう。
ネタバレあり感想
ネタバレなしの感想に続いて、やまぴー的にもっと「こうして欲しかった」点を3つ挙げます。
ワカンダとヴィブラニウム
はっきり言ってヴィブラニウム多すぎですよ。貴重価値ないじゃん。
キャプテン・アメリカのシールドは貴重な鉱石で作られてる、って知ったときは「すげえ!」って思ったのに、あんなにヴィブラニウムあったら作り放題じゃないですか。
数量限定のプレミアム商品をドンキの店頭たたき売り商品にされた気分です。スティーブに謝ってください。
そして超文明国家ワカンダ、あんなに発展してるのになぜいまだに世襲制なんですか?
国王選出がヤンキー漫画の番長選抜と一緒じゃないですか。「あいつを王にしてはいけない」とか言う前に制度を変えようよ。技術の高さと制度の古さのミスマッチ感がハンパないです。
どちらも原作からの設定なんでしょうが、変えてもよかったんじゃないかな。
ほかの作品でもけっこう映画だけのオリジナル設定してるんですし。
ストーリーがちっちゃい
個人的に内輪モメの話が嫌いなんです。解決してもマイナスがゼロになるだけで、発展しない気がするので。天気のいい草原で仲間同士が仲違いされてもなあ。『インフィニティ・ウォー』直前なんだから、もっと大きいストーリーにしてほしかったです。
これも個人的な意見ですが、「敵が同じ能力」っていうのも好きじゃないんです。今回は色まで一緒だから、ラストバトルなんてもう何がなんだか。
もっとクロスオーバー感を
他のマーベル作品とのクロスオーバーということで、今回はCIAエージェントのエヴェレット・ロスが活躍してました。でも、できればエージェントじゃなくてヒーローを出してほしかったです。やっぱヒーロー観たいよ。
『アントマン』のファルコンぐらいでもいいから別ヒーローが観たかったです。『バトルロイヤル』のハルクぐらい登場してくれると最高ですね。
終盤でロスが敵機をすべて撃墜するも、防護ガラスが砕け散りあわや絶体絶命。そのとき、S.H.I.E.L.D.からを受けたドクター・ストレンジが空間を越えて登場。ロスの顔を見るなり一言「どこかで会ったことが?」
いや、ただの妄想ですけど。
まとめ
完成度は決して低くない、だが真新しさもあまりない。
いつもながら美味しいけどちょっと物足りない、いわば「有名チェーン店の新メニュー」のような映画でした。うーん、惜しい。
あ、スタン・リーは釜山のカジノにいたよ。
◆こちらもオススメ
ブラックパンサー
Black Pantherキャスト(カッコ内は日本語吹き替え)
ティ・チャラ / ブラックパンサー – チャドウィック・ボーズマン(田村真[)
エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス / ウンジャダカ – マイケル・B・ジョーダン(津田健次郎)
ナキア – ルピタ・ニョンゴ(皆川純子)
オコエ – ダナイ・グリラ(斎賀みつき)
エヴェレット・ロス – マーティン・フリーマン(森川智之)
ウカビ – ダニエル・カルーヤ(中井和哉)
シュリ – レティーシャ・ライト(百田夏菜子)
エムバク – ウィンストン・デューク(木村昴)
ラモンダ – アンジェラ・バセット(幸田直子)
ズリ – フォレスト・ウィテカー(玄田哲章)
ユリシーズ・クロウ – アンディ・サーキス(広田みのる)監督 ライアン・クーグラー
脚本 ライアン・クーグラー、ジョー・ロバート・コール
原作 スタン・リー、ジャック・カービー
製作 ケヴィン・ファイギ
音楽 ルドウィグ・ゴランソン
撮影 レイチェル・モリソン
編集 クラウディア・カスティージョ、マイケル・P・シャウバー
製作会社 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ