こんにちは、やまぴーです。
今回ご紹介したい次の停車駅はこちらです。
3/30(金)公開『トレイン・ミッション』予告編
「なぜか厄介ごとに巻き込まれる父親役」がすっかり板についてきたリーアム・ニーソン。「凄腕の退役軍人コック役」のセガールと近いものを感じます。本人は強いけど家族が弱点なのも同じですね。
いつもの通勤電車
駅の数だけ乗車してくる《謎》と《伏線》
乗客100人の中から1人を捜し出せ!!
終着駅で下車する客
常連ではない客
通称プリン
成功の報酬は10万ドル
失敗の代償は家族の命
謎解き要素満載。
それ以上に老体に鞭打ったアクションも満載。
まずはあらすじと登場人物、そして感想はネタバレなし/ありのふたつです。
※ネタバレなし部分でも、公式情報レベルでのネタバレはあります。
あらすじ
この謎が、解けるか?
10年間勤めてきた保険会社を、60歳で突如リストラされた会社員のマイケル。いつもの通勤電車で帰路につき、常連客に挨拶しながらも、頭の中は住宅ローンと息子の学費のことでいっぱいだ。そんな彼の前に見知らぬ女が座り、「乗客の中から、ある重要な荷物を持った人物を捜して欲しい」と持ちかける。ヒントは3つ。常連客ではなく、終着駅で降りる、プリンと名乗る乗客。高額な報酬に抗えず、元警官の経験を生かし捜し始めるが、駅の数だけ仕掛けられた罠に深まる謎、さらには、妻と息子が人質に取られたことを知る。やがてプリンが、国家をも揺るがす重大事件の目撃者であることを突き止め、ようやく6人にまで絞り込んだ時、巧妙に仕組まれていた恐るべき陰謀が明かされる。
制限時間付きの理不尽ゲームに巻き込まれるといえば、以前リーアムが主演していた『フライト・ゲーム』を思い出す人も多いはず。
それもそのはずで、監督はどちらも同じジャウム・コレット=セラ。主演も監督も同じなこの映画は、『フライト・ゲーム』の続編にあたります。
さらにいえば、リーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラは、今回の『トレイン・ミッション』と前回の『フライト・ゲーム』のほかにも、『アンノウン』『ラン・オールナイト』と、4度目もタッグを組んでいる名コンビ。
ジョニー・デップとティム・バートンみたいな関係ですね。
登場人物
マイケル・マコーリー – リーアム・ニーソン
10年間勤めた保険会社を60歳でいきなりリストラされた元警官。帰りの電車で、謎の女ジョアンナによって理不尽なゲームに巻き込まれる。「強い男」ではなく「定年間際の普通の男」。
ジョアンナ – ヴェラ・ファーミガ
通勤電車でマイケルに近づいてきた謎の女。10万ドルの報酬を条件に、マイケルにあるゲームを持ちかける。
アレックス・マーフィー – パトリック・ウィルソン
マイケルの警官時代の同僚で、なにかとマイケルのことを気にかけている。「崇高」とか「忖度」とか難しい言葉を使うのが好き。
ウォルト – ジョナサン・バンクス
マイケルと通勤電車のなかで言葉を交わすようになった老人。最近、仕事の引退を考えている。
ネタバレなし感想
この映画をひとことでまとめると、
60歳過ぎで踏んだり蹴ったりなアクションを頑張ったリーアムに拍手!
でも謎解き部分はけっこう大雑把
評価:★★★☆☆
やまぴーは基本的に「アクション俳優は若いほうがいい」と思ってますが、今回の60歳リーアムのアクションは結構アリかも。『96時間』の無双リーアムよりリアルを感じられます。
10年間勤めた会社から、いきなりのリストラ宣告にマイケルは思わずこう叫びます。
「わたしはもう60歳だぞ!」
住宅ローンや子供の学費の支払いがあるのに定年間際でリストラは厳しいです。
でもその後、ジョアンナが持ちかけたゲームに巻き込まれてからの展開の方がもっと厳しいです。
謎の乗客「プリン」を捜すため老体に鞭打ちながらのアクションの連続。
ワケがわからないうちに乗客と取っ組み合い。そこには『96時間』で見せたような強さは微塵もない、息を切らしながら戦う定年間際の男の姿が。
それこそマイケルは、
「わたしはもう60歳だぞ!」
と、言いたいはず。
その後も、プリン捜しにピストル片手に車両を行ったり来たり、
暴走特急を止めるために駅員と頑張ったり、
「リーアムはもう65歳だぞ!」
と、観ている我々の気持ちを熱くさせてくれます。
ジョアンナは、なぜプリン捜しにこんなおじいちゃんを選んだのでしょうか。
『ニック・オブ・タイム』のジョニー・デップくらいの奴のほうがフットワーク軽い気がするんですが。
マイケルが選ばれたのは、元警官としての頭脳や直感でしょうか。
『トレイン・ミッション』には「プリンは誰か?」という謎解きだけでなく、「事件の黒幕は誰か?」という謎解きも同時に進行していきます。
ただ、謎解きや伏線についてはちょっと大雑把な部分ががあって、個人的には物足りなかったなあ。あんなに綿密にマイケルを罠に陥れた組織にしては、「そこ間違える?」みたいなツメの甘い部分がチラホラでアンバランス感すごいです。
っていうか、あそこまでマイケルを罠にハメる手腕があれば、アンタらだけでプリン捜せるでしょ?
オチにはニヤリとしちゃいましたが。
謎解きのミッションより、リーアムの肉体的ミッションに心を揺さぶられた『トレイン・ミッション』。俳優リーアムの新境地をぜひご覧ください。
※ここから先はネタバレありです。知りたくない人は映画鑑賞後にまたお会いしましょう。
「え、次回作もアクションなの?」
ネタバレあり感想
さて、ここからネタバレお構いなしで好き勝手言わせていただきます。
序盤に早送りで10年間繰り返される通勤シーン、ここが一番好きでした。
毎日毎日同じラジオ放送で目を覚まし、車の送り迎えで奥さんとケンカしたり仲直りしたり、服装が変わりつつもずっと同じ電車通勤を続けるマイケル。
今回の主人公はスーパーマンではなく普通の男であることを観客に理解させるすごく上手な手法だと思います。『フライト・ゲーム』とは全く別の作品として観たほうがいいでしょう。
原題の”The Commuter”(通勤者)もいいですね。邦題より全然いいです。
こうした映画のお約束ですが、悪の組織力がハンパないです。
マイケルの協力者であるウォルトを殺害するシーン。どの駅で下車するかもわからないウォルトを殺すだけでも大変なのに、電車を非常停止させてマイケルが見える場所でウォルトを走るバスの前に突き飛ばすとかどんだけすごいんですか。
オーシャンズだって計画できないよ。
凄腕っぽいFBIの覆面捜査官も一瞬で殺してるし。
そこまでの組織力があるんなら、60歳の元警官に頼る必要ないでしょ。
なのに、マイケルの監視役が右利きなのに左利き用のギター持ってるって、そんなポカするのか?しかも左利き用のギターってあんまり売ってないほうじゃん。
札束をわざわざトイレの通気口に入れて、さらにネジまで締める組織のやることとは思えません。
どうでもいいけど、マイケルがお金取りに行かなかったらどうなったんだろ。
「ちょっと!アイツ金取りに行かないで本読んでるんだけど!?」
とか、ジョアンナがアレックスに激ギレ電話するのかな。
「おじちゃん降りてこないけど封筒どうしたらいいの?」
とか次の駅で待ってる子供が不安そうに電話するのかな。
DVD特典でやってくれないかな。
プリンの正体も「お前だったのか!」っていうよりは、「あ~そんな子いたかも」ぐらいで衝撃が弱かったです。
読んでた「緋文字」の本の主人公の名前が「ヘスター・プリン」だから君がプリンなのか!
って正体隠しての移動中に、ヒントになるような本読んじゃダメじゃん!
座席でプリン食ってるのと同じくらいダメじゃん。
この辺りの展開が、どうも個人的には大雑把な感じがしました。
でも、ラストで乗客みんながプリンを名乗り出したのは良かったです。
車掌が美味しいとこ持っていったけど。
「私がプリンだ」「私もプリンだ」「じゃあ俺も」「どうぞどうぞ」
とか浮かんだのは、やまぴーだけでしょうか。
ラストにマイケルがジョアンナに刑事のバッジを見せるシーン。なんとなくオチが予想できつつも、ニヤリとしてしまうシーンでしたね。
でも、それ以前にジョアンナが普通に電車通勤してるのがかなりツボでした。
普段はハイヤーで送り迎えかと思ったのに。
悪の組織も意外と資金難なのかな。
マイケルが受け取ったお金、途中で風に飛ばされて「悪銭身に付かず」な感じがよかったです。悪いことはするものじゃないですね。
結局のところ、『トレイン・ミッション』ってミッション的には完全に失敗してますよね。完全に悪の組織の人選ミスです。やっぱ歳取ってもリーアムに手を出しちゃいけないってことですね。
最後に、路線図風のエンドロールがカッコよかったです。
トレイン・ミッション
The Commuterキャスト
マイケル・マコーリー – リーアム・ニーソン
ジョアンナ – ヴェラ・ファーミガ
アレックス・マーフィー – パトリック・ウィルソン
ウォルト – ジョナサン・バンクス
カレン・マコーリー – エリザベス・マクガヴァン
ホーソーン警部 – サム・ニール
ダニー・マコーリー – ディーン=チャールズ・チャップマン
グウェン – フローレンス・ピュー
エヴァ – クララ・ラゴ
ガルシア特別捜査官 – キングスリー・ベン=アディル
ディラン – キリアン・スコット
スケートボーダー – レティーシャ・ライト
オリヴァー – コブナ・ホルドブルック=スミス
ジャクソン – ローランド・ムーラー
ヴィンス – シャザド・ラティフ
サム – コリン・マクファーレン監督 ジャウム・コレット=セラ
脚本 バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ、ライアン・イングル
原案 バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ
製作 アンドリュー・ローナ、アレックス・ハイネマン
音楽 ロケ・バニョス
撮影 ポール・キャメロン
編集 ニコラス・デ・トス
製作会社 オンブラ・フィルムズ、スタジオカナル、ザ・ピクチャー・カンパニー
配給 ライオンズゲート、スタジオカナル、ギャガ