サイン、コサイン、タンジェント
こんにちは、やまぴーです。
本日紹介する映画はこちら↓
クリス・エヴァンス出演 映画『gifted/ギフテッド』予告
“本当の幸せ”って何?
生まれて間もなく母を亡くし、叔父に育てられた7歳のメアリー。
突出した才能=ギフテッドを持つために、大好きな叔父から引き離されそうになる―
いちばん大切なのは、<愛する>才能。
ちなみに、タイトルにもなっている「gifted/ギフテッド」とは、
「先天的に、平均よりも、顕著に高度な知的能力を持っている人のこと」
です。
“ピボットテーブル”って何?
と、何度も質問しては同僚に呆れられているやまぴーが、この映画のあらすじ、監督&キャスト、ネタバレありの感想をお伝えします。
あらすじ
「とにかく、子供らしく」─7歳のメアリー(マッケナ・グレイス)が初めて小学校に登校する日、叔父のフランク(クリス・エヴァンス)は、そう言って送り出した。ところがメアリーは、早速フランクの忠告を無視し、算数の授業で簡単すぎる足し算にイラつき、担任の先生のボニー(ジェニー・スレイト)が試しに出した、他の生徒には絶対にムリな暗算の問題を次々と解いてしまう。
フランクと、頭がよくて鳥にも優しい片目の猫フレッドと暮らすメアリーは、生まれついての数学の天才だった。隣人で何かとメアリーの面倒を見てくれるロバータ(オクタヴィア・スペンサー)だけが、事情を知っている。
メアリーの才能に気付き、好奇心に駆られたボニーは、フランクの名前をインターネットの検索にかける。すると、「著名な数学者ダイアン・アドラーが自殺。残された遺族は弟のフランク」という記事にヒットする。
金曜の夜、街のバーでよくフランクを見かけていたボニーは、その夜も店に出掛けると、思い切ってフランクに声を掛ける。フランクはボニーに、7年前の出来事を打ち明ける。姉のダイアンが赤ん坊のメアリーを連れて、「話がある」と訪ねて来たのにデートへ出掛けてしまい、その間に姉は死を選んでいた。姉はメアリーの父親である男と別れ、妊娠を機に母親にも縁を切られていたため、フランクがメアリーを引き取るしかなかったのだ。
そんななかメアリーは、学校で問題を起こしてしまう。校長はフランクに、“ギフテッド教育”で名高い学校への転校を勧める。だが、メアリーに“普通の暮らし”を求めていたダイアンの遺志を守るため、フランクは頑なに“特別扱い”を拒むのだった。
少しずつ学校に馴染んでいくメアリーの前に、顔も見たことのなかった”おばあちゃん”、イブリン(リンゼイ・ダンカン)が現れる。メアリーの才能を知り、歴史に名を残す数学者になれたダイアンに代わって、偉業に挑戦させるべく迎えに来たのだ。
メアリーはイブリンから贈られた、数学関係のソフトが入った最新のマックブックに夢中になる一方で、普段はケンカが絶えないけれど、本当は世界一大好きなフランクと引き離されることを恐れ始める。彼女の不安を察したフランクは、「俺たちは何があっても一緒だ」と約束するのだった。メアリーの親権をかけて、祖母対叔父の裁判が幕を開ける。弁護士を雇うのもギリギリのフランクに、イブリンは財力を駆使して一流弁護士に依頼した、驚くべき調査結果を突き付ける。しかし、フランクもまた、亡き姉から重大な秘密を託されていた─。(公式HPより)
公式HPの時点ですでに結構なネタバレをしてますね。
監督&キャスト
監督 – マーク・ウェブ
ミュージックPVの監督としてキャリアをスタートし、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル共演の長編映画監督デビュー作『(500)日のサマー』で、作品賞を含むゴールデン・グローブ賞2部門にノミネートされ、一躍その才能を認められる。続いて、アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン共演の『アメイジング・スパイダーマン』、『アメイジング・スパイダーマン2』の監督を務め、大作もこなす確かな手腕を認められる。(公式HPより抜粋)
クリス・エヴァンス – フランク・アドラー
フロリダの海辺の街で、ボートの修理で生計を立てているメアリーの叔父。数学者の姉、ダイアンの自殺を止められなかったことに責任を感じ、メアリーを男手ひとつで育てる。ダイアンの意志を守り、メアリーに「普通の暮らし」をさせている。(公式HPより抜粋)
演じるのは、『ファンタスティック・フォー』シリーズ、『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンス。
マッケンナ・グレイス – メアリー・アドラー
フランクの姉ダイアンの娘で、生まれながらの数学の天才少女。小学校に通わされることをきっかけに、周囲から数学の才能に気づかれる。フランクとはケンカをしながらも、ずっと一緒に暮らしたいと思っている。(公式HPより抜粋)
演じるのは、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』『アングリーバード』のマッケンナ・グレイス。
リンゼイ・ダンカン – イヴリン・アドラー
メアリーの祖母で“元”数学者。孫のメアリーに数学の才能があることを知り、ダイアンとフランクが成し遂げられなかった偉業を託すため、フランクと親権争いの裁判を始める。(公式HPより抜粋)
演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズ、『アバウト・タイム』『バードマン』のリンゼイ・ダンカン。
ジェニー・スレイト – ボニー・スティーヴンソン
メアリーの担任の先生。メアリーの才能に気づき、フランクと話していくうちにアドラー家の過去の事情を知っていく。(公式HPより抜粋)
演じるのは、『彼女が目覚めるその日まで』『ズートピア』『ペット』『怪盗グル―のミニオン大脱走』のジェニー・スレイト。
オクタヴィア・スペンサー – ロバータ・テイラー
メアリーの面倒を見てくれる近所の世話好きのおばさん。メアリーの才能に気づいており、メアリーの将来を心配している。(公式HPより抜粋)
演じるのは、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』『ダイバージェント』シリーズ、『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサー。
フレッド – ネコ
頭がよくて鳥にも優しい片目の猫。ごみ箱からメアリーに拾われたとき、すでに片目だった。映画のなかで意外と重要なポジションを担っている。ピンポン玉が好き。
メアリーの次にかわいい。3番目にかわいいのはメアリーの同級生の男の子。
※ここから先はネタバレありとなります。
知りたくない人は、映画館でメアリーのかわいさを観てから戻ってきてください。
ネタバレあり感想
この映画をひとことでまとめるなら、
ストーリーはオーソドックスだけど、各キャラの「すごさ」で楽しめる。
評価:★★★☆☆
ぶっちゃけ、ストーリーとしては普通なんですよ。
特別な才能を持った子供メアリーが、その才能がゆえに祖母イヴリンの手によって、育ての親である叔父フランクから引き離されそうになる。親権裁判を進めていくうちに、最善の策は「第三者の里親に預けること」となり、メアリーとフランクは離れて暮らすことになる。
しかし、里親の下でメアリーがイヴリンに英才教育を強いられていることを知ったフランクは、里親のところへ行ってメアリーを奪い返す。こうして二人は再び一緒に暮らすことになり、めでたしめでたし…
どうですか、上のあらすじ読むとすっげえつまらなそうじゃないですか。
でもね、観ると意外とおもしろかったんですよ。
観てる側を泣かそうとしてる魂胆とか見え見えなんですけど、それでもおもしろかったんですよ。
それは普通の話でも各キャラの「すごさ」が際立ってたからでしょう。
以下、やまぴーが感じた「すごさ」3点を挙げます。
その1:メアリーのかわいさがすごい
この映画の半分は、メアリーのかわいさでできています。
この子のかわいさはヤバいです。凶器です。
口を開けて笑うと前歯がないんです。反則です。
メアリーが黒板に書いている方程式は何ひとつわかりませんが、書いてるメアリーがかわいいことはQ.E.D.(証明済み)です。
笑顔だけじゃなくて、登校初日のすっげえふてくされた顔もかわいいです。
誰ですか、こんな子役を見つけてきたのは。
フランクと酒の勢いでニャンニャンしちゃったボニー先生が、フランクの寝室からハダカで出てくるシーンでは、
「先生、おはようございます」
と朝のあいさつをしながらニヤついた顔を見せてくれます。
でも7歳ってそういうことわかるの?
メアリーが頭いいから?
フランクふたりで夕陽を浴びながら遊んでるシーンでは、子供がよくやるの「人の身体のぼり」を見せてくれます。
もうメアリーの里親になりたいよ。ピアノも買うよ。
メアリーを演じたマッケンナ・グレイスは、今後まちがいなく売れるでしょう。
ナタリー・ポートマンやエマ・ワトソンやクロエ・グレース・モレッツと同じ匂いがします。大きくなってから「ブラック・スワン」みたいな映画に出て、
「かわいかったメアリーがこんなエッチな役を…」
とか言われるんでしょうか。
ともかく、この映画のメアリーのかわいさは必見です。
ちなみに、かわいさ2位は片目ネコのフレッド、3位は同級生の男の子です。
その2:イヴリンの執念がすごい
孫のかわいさに対して、おばあちゃんの執念深さもすごいです。
どんな数学的な偉業か知りませんが、普通は娘が自殺して息子がリタイアした時点で諦めるでしょ。孫にまで継がせようとか尋常じゃないです。
7歳の孫に「ボスっぽくてイヤ」って言われるおばあちゃんって…
裁判所での名セリフ、
「(子供二人がダメで)ツーアウトでも(孫の)本塁打で逆転できるわ」
とか、普通コレ言った時点で敗訴だと思うんですけど。子供の道具扱いっぷりがすごいですね。三国志時代の武将みたいです。
でも、悪人というよりは「数学」という宗教に憑りつかれた殉教者という印象でしたね。メアリーの父親探して自分を後見人に指名させたり、里親懐柔してメアリー軟禁したりしますが、私欲的なところがないので嫌悪感はなかったです。おばあちゃんも悲しい人ですね、と。
でもメアリーの父親と里親のオヤジは心底クソヤローだと思いました。こういうヤツらの出番が少ないのがこの映画のいいところですね。
ラストで娘ダイアンが方程式を解いたノートを見て泣き出すシーンは鬼ババの目にも涙だと思いました。
余談ですが、作中に出てきた「ミレニアム懸賞問題」は以下の7つです。
《ミレニアム懸賞問題》
- ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題
- リーマン予想
- P≠NP予想
- ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
- ホッジ予想
- ポアンカレ予想※リゴリー・ペレルマンにより解決済。
- バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想
7つのうち6つはまだ未解決、解いたら100万ドルだって。
その3:フランクの優しさがすごい
極めつけはやっぱりフランクの優しさですね。いきなり生後半年の赤ん坊を託されて、男手ひとつで育てるあたりが、もうすでに優しい。そりゃボニー先生もイチコロですよ。
逆ギレで怒鳴っちゃったときは相手が子供でもちゃんと謝る。
実の父親のクソヤローっぷりに泣いてるメアリーのために、わざわざ産婦人科まで行ってメアリーが生まれたときのことを話してあげる。あ、ロバータも優しいね。
親権裁判で係争中の母親と散歩しながら世間話したり。
この辺のアメリカ人の感覚は、正直理解できないんですが…
里親募集に出されたフレッドが殺処分されそうになったのを助けに行ったり。
いや、それは普通なんですが、「お前ペット屋開くのかよ」ってほど他のネコも引き取ってきたり。一瞬、ネコアレルギーのイヴリンに嫌がらせするのかと思いましたよ。
泣かせる気マンマンな思惑も見えますが、素直に感動してしまいます。
さすがアベンジャーズのリーダーです。
でもケロッグの「スペシャルな」手抜き朝食はよくないな。
ラストは、メアリーが英才教育の学校へ通い、放課後は普通の学校で友達と遊ぶというダブルスクールで「いいトコどりだなコノヤロー」なハッピーエンドになってます。
あざといラストだと思いつつも、メアリーの幸せそうな笑顔が観れたら文句なんてありませんよ。
素直に感動したい人にはオススメのファミリー映画です。
今後は動物園模型の男の子に加えて、英才教育の学校でも気になる男ができて三角関係に悩んだりするのかな。
ただ、フランクも俺も交際は認めんがな。
◆こちらもオススメ
『gifted/ギフテッド』
[gifted]キャスト
クリス・エヴァンス – フランク・アドラー
マッケンナ・グレイス – メアリー・アドラー
リンゼイ・ダンカン – イヴリン・アドラー
ジェニー・スレイト – ボニー・スティーヴンソン
オクタヴィア・スペンサー – ロバータ・テイラー
グレン・プラマー – グレッグ・カレン
ジョン・フィン – オーブリー・ハイスミス
エリザベス・マーヴェル – グロリア・デイヴィス
ジョナ・チャオ – リジュアン
ジュリー・アン・エミリー – パット・ゴールディング
キーア・オドネル – ブラッドリー・ポラード
ジョン・M・ジャクソン – エドワード・ニコルズ
フレッド – ペットのネコ監督 マーク・ウェブ
脚本 トム・フリン
製作 カレン・ランダー、アンディ・コーエン
製作総指揮 グレン・バスナー、ベン・ブラウニング、モリー・アレン
音楽 ロブ・シモンセン
撮影 スチュアート・ドライバーグ
編集 ビル・パンコウ
製作会社 TSGエンターテインメント、フィルムネイション・エンターテインメント、グレードA・エンターテインメント、デイデイ・フィルムズ
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ