こんにちは、やまぴーです。
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今回ご紹介の映画はこちら…
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
“それ”は、どこにでも現れる。
“それ”は、どんな姿にも形を変える。
“それ”が見えたら、終わり。
全米史上最恐のトラウマとなったスティーブン・キング原作の小説「IT」が映画化。
予告編の段階で史上最多の再生回数を記録したとか。
余談ですが、やまぴーは「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画が大好きです。
そのジョジョのストーリーが、よくキングの小説をモデルにしていると聞いて、キングの小説も読むようになりました。いまではすっかりキングのファンです。
ってことで、今回はかなりキングファンの目線での感想になってます。
とか言いつつ、小説版の”IT”は途中で挫折してるんだけど(笑)
あらすじ
静かな田舎町にとり憑く恐怖。相次ぐ子供の失踪事件。
一見、平和で静かな田舎町を恐怖が覆い尽くす。子供の失踪事件が多発していたのだ。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、行方不明の弟を案じるビルの前に、”それ”は突然現れる。”それ”を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。
しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。不良少年たちにイジメの標的にされている子供たちも”それ”に遭遇していた。自宅の地下室、バスルーム、図書館、そして町の中……。何かに恐怖を感じるたびに”それ”は、どこにでも現れる。神出鬼没、変幻自在の”それ”からは、決して逃れられない……。
ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは”それ”に立ち向かうことを決意。”それ”の正体とは何か?その目的は?消えた子供たちはどこに行ったのか?真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた……。
行方不明者の数が全国平均の6倍という、ジョジョの杜王町みたいな(というかこちらがオリジナルの)架空の町、メイン州デリーが舞台です。
失踪事件が多発し、消えるのは決まって子供……”それ”が見えた子供だけ。
“それ”としか呼べない名前のない恐怖に飲み込まれる子供たち。
キング小説の中でも最高(最恐)といわれる”IT”の映像化。ファンは期待せずにいられませんよ!
原作者&登場人物/キャスト
まずはなにより原作者を紹介。
原作:スティーブン・キング
「キング・オブ・ホラー」と言われるホラー小説界の大御所。名前もキャリアもキングです。いままで映画化された作品は数知れず。『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』(原題:刑務所のリタ・ヘイワース)『グリーン・マイル』など、感動的な物語が有名ですが、『キャリー』『シャイニング』『ミザリー』『ミスト』など、ホラー映画もバンバン出てます。ほとんどがB級ですが…。いや、今回こそは期待できるはず!
ホラー小説を書いてるくせに、キング自身は「寝ているときに毛布から足が出るだけで怖い」というほどの恐がり。また、出版界でベストセラー作家は年に一本しか小説を発表できないという慣習があったころ、「リチャード・バックマン」という偽名で小説を発表していたほどの物書きバカ。偽名だと売上が下がるというのに。
語りだすとキリがありませんが、キングの小説はマジでおすすめです。
以下、登場人物紹介です。
イット/それ
ペニーワイズ – ビル・スカルスガルド
子供たちを恐怖に陥れる「踊るピエロ(The Dancing Clown)」。子供だけを狙うところは「モンスターズ・インク」と同じですが、狙ったあとの行動はぜんぜん違います。
実在の殺人鬼「ジョン・ゲイシー」がモデル。
演じるのはビル・スカルスガルド。『アトミック・ブロンド』を観たときは、「こいつイケメンだからきっと売れるな」と思ったのに、こんな役ですか。もっと売れるな。
目がロンパってる(斜視)のはビルの特技らしくてビックリしました。
負け犬クラブ(The Losers’ Club)のメンバー
ビル・デンブロウ – ジェイデン・リーバハー
負け犬クラブのリーダー。弟が行方不明になったことに責任を感じている。一人だけ「ペ、ペニーワイズぶっ殺してやる」と息巻いて、他メンバーに引かれるときもしばしば。吃音。自転車の名前は「シルバー号」。
ベン・ハンスコム – ジェレミー・レイ・テイラー
肥満の転校生。図書館でデリーの呪われた歴史を調べている。クラブの参謀的存在。詩才があっても外見で選ばれないという厳しい現実に直面する。おっぱいがへこんでる。
ベバリー・マーシュ – ソフィア・リリス
クラブの紅一点。町中から「ふしだら」と呼ばれ、女子グループからターゲットにされている。ペニーワイズ退治に対しては、ビルに次いで行動的。
リッチー・トージア – フィン・ウルフハード
軽口叩きで「これぞキング節」といったウィットなセリフをポンポン吐き出す。目が悪く厚手のメガネをかけている。ピエロが嫌い。
エディ・カスプブラク – ジャック・ディラン・グレイザー
病弱で喘息を持っているため、いつも薬と吸引器を持ち歩いている。常に母親から健康を心配されていて、本人は煩わしく思っている。
マイク・ハンロン – チョーズン・ジェイコブス
クラブ内唯一の黒人。食肉業を営む祖父のもとで生活している。家畜を殺せないことを祖父から叱られている。
スタンリー・ユリス – ワイアット・オレフ
ユダヤ教の司祭(ラビ)の息子。クラブの活動を懐疑的に思っており、ペニーワイズを忘れて生活したがっている。教会に飾ってある絵画が嫌い。
その他
ジョージー・デンブロウ – ジャクソン・ロバート・スコット
ビルの弟。雨の日にビルが作ってくれた小船で遊んでいたところ、下水口でペニーワイズと遭遇してしまう。
ヘンリー・バウワーズ – ニコラス・ハミルトン
負け犬クラブを狙ういじめっ子集団のリーダー。父親は警官。
ネタバレなし感想
この映画の感想をひとことで言うならば、
まさしくキング・オブ・ホラー!
キングの文才を受け止める正統派ホラーがやっと登場した!
ふたことになってますが、そういうことです。
これぞ正統派ホラー
まさしく正統派ホラーです。血がドバドバ噴き出ます。突然ドアが閉まって開かなくなります。”ドギャン!”といって背後から襲いかかります。あ、オッパイ出した女が死んだりはしなかったな。
今後のホラー映画のお手本になること間違いなしです。
思い出せば、キングといったら「ステンバイ」だの「ショーシャンク」だの、それはそれで名作なんですが、原作の小説ファンとしては
「スティーブン・キングってのはホラー作家なんだよ!」
というのを大声で言いたかったわけですよ。
なのに映画化されたホラー系はだいたいがB級のイマイチな(あるいは話にならない)作品ばかりで、それはもう悔しいもんでした。
『バトルランナー』(原題:ランニングマン)なんて、これっぽちも原作と合ってないからね。なんだよサブゼロって。
ぶっちゃけ、ホラー部分の素晴らしさはCG技術の向上によるところが大きいです。逆にいえば、ようやくキングの描く世界に技術が追い付いたってことですね。
リアルな日常感
キングの小説では、実在しているかのごとく町の情景やキャラクターの動向が描かれますが、映画版でも普通の町の「リアルな日常感」は見事に再現されています。
いじめっ子とか薬局の店主とかホントに実在しそう。はじめは各キャラの連続紹介でちょっと混乱しますが、そこを超えると映画の世界にグッと入り込めるはずです。
そしてホラーの合間の息抜きとして、笑えるシーンも入ってきます。ただ個人的には、これはホラーの恐怖を際立たせるための、いわば「スイカの塩」のようなものだと思ってます。
日常からいきなり非日常へ放り投げるのがキングは好きですから。
人間の尊厳
そしてやまぴーとしては、ホラーに欠かせないのが「人間の尊厳」だと思ってます。
キング小説におけるホラーとは、「抱いた恐れをいかに克服していくか」の物語です。
むかし読んだキングの『図書館警察』という小説は、図書館で借りた本を返し忘れて殺されかけるという、なんともアホみたいな話でしたが、それでさえ人間の尊厳を扱ってました。
今回の『IT』も、子供たちが恐怖に立ち向かう姿がしっかりと描かれています。
まとめ
というわけで、「怖いのは苦手」という人と「キングの小説は嫌い」という人以外には間違いなくオススメな映画です。
ホラーファンは絶対観たほうがいいですよ。って多分もう観てるよね。
※ここから先は、ネタバレありとなります。
この映画観る予定の人は見ないほうがいいです。
“それ”が見えたら、終わり。
ネタバレあり感想
子供の世界の怖さ
この映画でよく描けていると思ったのが、子供の視点でとらえた恐怖感。
冒頭で、ビルの弟ジョージーが、怯えながら自宅の地下室に入るシーンがあります。しかし、その後に下水口から顔を出したペニーワイズにジョージ―は、最初は驚きますが話していくうちに笑い声まで出しはじめます。
大人だったら顔が見えた時点でダッシュですよ。
その後のジョージ―とペニーワイズのやりとりには、観客全員が息をのんで「逃げて!」と見守ったはず。
『IT』は、「子供にしかわからない恐怖」が上手く描かれてます。
大人の世界の怖さ
実はペニーワイズより恐ろしかったのは『IT』の世界の大人たち。
完全に子供たちと断絶しています。
ベティの父親の性的虐待はもちろん、エディの母親は子供に偽薬を与えることで自身を保っている代理ミュンヒハウゼン症候群です。
ビルの父親も、ビルが弟ジョージ―の失踪に責任を感じて彼を探そうとするも、「ジョージ―は死んだ」ときっぱりビルを否定します。
いじめっ子のヘンリーでさえ、父親から銃を向けられ拒絶されるシーンがあります。
この映画の大人たちは、まったく子供が頼れる存在として描かれていません。
そう思って映画を観ると、子供たちの戦いが少し違って見えてくるはずです。
期待の大人編
さて、ラストのエンドロールでまさかの
“IT:chapter one”
え、このハナシ続くの?
ペニーワイズ復活するの?
原作知ってる人なら、彼らが大人になったあとでピエロと”ラウンド2”を始めることはご存じですね。
そして映画を観ている途中で、
「あ、これは時間的に少年時代だけだな」
と思ったはずです。
あんな分厚い小説は2時間じゃ終わらないですね。バッサリ少年編だけにして正解だったと思います。
てなワケで大人編(27年後)も今から楽しみです。
もし原作読んでる人でも、映画版は27年後が「2016年」になるので、原作と違った展開が楽しめるはず。
現代版ペニーワイズがどんな攻撃を仕掛けてくるのか、今から楽しみですよ。
はやく次回作の製作はじまらないかな。
◆こちらもオススメ
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
[IT:chapter one]キャスト
ペニーワイズ – ビル・スカルスガルド
ビル・デンブロウ – ジェイデン・リーバハー
ジョージー・デンブロウ – ジャクソン・ロバート・スコット
ベン・ハンスコム – ジェレミー・レイ・テイラー
リッチー・トージア – フィン・ウルフハード
ベバリー・マーシュ – ソフィア・リリス
スタンリー・ユリス – ワイアット・オレフ
ヘンリー・バウワーズ – ニコラス・ハミルトン
マイク・ハンロン – チョーズン・ジェイコブス
エディ・カスプブラク – ジャック・ディラン・グレイザー監督 アンディ・ムスキエティ
脚本 チェイス・パーマー、ゲイリー・ドーベルマン、キャリー・フクナガ
原作 スティーヴン・キング
製作 ロイ・リー、ダン・リン、セス・グレアム=スミス、デビッド・カッツェンバーグ
音楽 ベンジャミン・ウォルフィッシュ
撮影 チョン・ジョンフン
編集 ジェイソン・バランタイン
製作会社 ニュー・ライン・シネマ
配給 ワーナー・ブラザース