映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』をジョジョ歴30年の俺が裁きます(ネタバレあり感想)

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

 

ししし、やまぴーだど!

本日紹介する映画はこれだど!

 

映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』予告3【HD】2017年8月4日(金)公開

 

映画が大好き。
ジョジョも大好き。

やまぴー的に超ストライクなはずのジョジョ映画のネタバレ感想を、今さらながらアップします。

 

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感想をアップしなかった理由

はじめに感想前に今まで感想をアップしなかった理由をちょっとだけ。興味ない人はスルーしてください。

理由は、単に『映画を観てなかったから』です。実写化反対派でしたので。
ジョジョの実写映画化なんて、トランプが大統領になるぐらいナシだと思ってました。

実写化に対する多くのジョジョファンの「ないわー」コメントに「だよなー」と賛同しつつ、映画公開日の8月4日はジョジョの代わりにトランスフォーマーを観ました。そんなにおもしろくなかったです。

ジョジョの映画を観た人のコメントをチェックしていると、「つまらない」という意見より「意外とおもしろかった」とか「思ったより悪くなかった」というコメントが多く、ちょっと興味が湧きました。そして「みんな微妙に上から目線だな」とも思いました。

余談ですが、どこかのサイトで「スタンド能力の射程範囲が曖昧でハンター×ハンターに比べて緻密さに劣る」という、まさかの原作ダメ出し記事を読んだときは、少しイラッとして「お前は毎回ションベンの量が一緒なのか」と心の中で毒づいたものです。

他にも「億泰がめっちゃ似てた」とか「バッド・カンパニーすげえ」とか「街並みの違和感がすげえ」とか「ラストがすげえ」とか、なんだかんだで観たいテンションが上がってしまい、レンタル始まったら観ようと思ったわけです。

 

 

ちなみに、やまぴーはジョジョのファンですが、普段テレビをまったく観ないため日本の芸能界やタレントさんのことはほぼ知りません。今回のキャストも、観月ありさしかわかりません。
映画はよく観ますが、邦画はほぼ観ません。三池監督の作品は一度も観たことがありません。「原作クラッシャー」と呼ばれていることはネットで知りました。

そういう偏った奴の感想とだと思ってください。

 

※ここから先はネタバレお構いナシでやりたいんですがかまいませんね!

 

この記事読んでる人はかなりのジョジョ好きだと思いますので、映画も原作も鑑賞してる前提で進めさせていただきます。

 

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あらすじ

公式あらすじ

豊かな自然に囲まれ、国勢調査の結果から2年連続“住んでみたい町ランキング”上位に認定された杜王町。しかし、3年連続は無理かもしれない。なぜなら、そこでは現在進行形で変死事件が続発しているのだから…。この町に住む仗助はリーゼント頭で街を闊歩する高校2年生。父親こそいないが、町の平和を守ってきた警察官の祖父、良平や美人の母、朋子とともに満ち足りた生活を送っていた。普段は温厚な彼だが、ヘアスタイルをバカにされることだけは我慢ならない。絡んでくる連中を叩きのめす彼の武器は、<スタンド>という特殊能力だった。
そんなある日、仗助はコンビニで強盗事件に遭遇する。とっさの判断で店員を助け、特殊能力で犯人のナイフを取り上げる仗助。事件は解決したかに思われた。が、裏で糸を引いていたのは、悪事に異常な執着を抱き、連続変死事件を引き起こしていたシリアルキラー、アンジェロこと安十郎。計画を邪魔された彼は、仗助に対して激しい怒りの念を抱く。
やがて、仗助の前に承太郎と名乗る男が現われる。仗助の実の父親であるジョセフ・ジョースターは、承太郎の祖父にあたる。そして自分たちジョースター家の血を引く者には、≪スタンド≫と呼ばれる特殊な能力が備わっている。しかも、他にも<スタンド>の使い手がこの町にいて、悪意をむき出しにして仗助に襲いかかろうとしている……。今の生活に幸せを感じている仗助は、承太郎が語った衝撃的な事実を簡単には受け入れられないのだった。
しかし、事態は楽観を許さなかった。≪スタンド≫の使い手だったアンジェロは、復讐に燃えて仗助の家を襲撃。その結果、良平は命を落としてしまう。さらに母ばかりか、級友の康一までもが危険にさらされる。家族を愛し、町を愛した祖父の遺志を継ぐことこそ、自分の使命――<スタンド>をそのために使うことを決意した仗助は、承太郎の助けを得てアンジェロに立ち向かう。だが、最凶の悪はその奥に潜んでいた。アンジェロを操る謎の兄弟の目的とは?杜王町に平和は戻るのか?そして仗助の運命は?(公式HPより)

かなり長い予告動画↓
映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』本編オープニング映像13分【HD】2017年8月4日(金)公開

 

映画版は原作コミックスの29~30巻にあたる、第4部スタートのアンジェロ編から虹村兄弟編まで。

 

 

 

多少の脚色やキャラが登場する順番の前後はありますが、かなり原作のストーリを忠実に再現しています。

 

原作との相違点

とはいえ、多少は原作との相違点がありました。以下、大きな変更からどうでもいい点まで相違点を挙げます。

・康一が転校生
・由花子が学校公認で康一の世話係
・仗助たちが高校2年生
・仗助のとりまき女が4人から3人へ減少
・良平がアンジェロを逮捕していない
・アンジェロが死刑になっていない
・形兆とアンジェロが一緒にメシ食ってる
・コンビニ強盗と良平の心温まる交流あり
・良平の趣味が筋トレ
・朋子がトラサルディを知っている
・形兆が酔っ払いを弓で射るシーンあり
・億泰が康一と由花子の間を邪魔をするシーンあり
・良平の葬式で仗助が形兆と出会う
・バッド・カンパニーへの命令を変更できない
・康一が形兆戦でACT1に成長する
・弓と矢、虹村父の病気、DIOについての言及がない
・形兆がシアー・ハート・アタックに殺される

 

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登場人物/キャスト

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

 

東方仗助(ジョジョ) / 山崎賢人
【スタンド】クレイジーダイヤモンド

杜王町に住む高校2年生。見た目はちょっと怖いが、家族思いで心優しい性格。自慢のリーゼントの髪型をけなされたときばかりは激しく怒る。触れるだけで他人のケガや壊れたものをなおすスタンド”クレイジー・ダイヤモンド”の持ち主。

線は細いですが、けっこう仗助に似てたと思います。ただ、リーゼントはともかく服装の違和感は凄かった。というか、だいたのキャラがコスプレ感ハンパなかったです。いきなりジョジョ実写化の壁にブチ当たった気分でした。

 

空条承太郎 / 伊勢谷友介
【スタンド】スタープラチナ

ジョセフ・ジョースターの孫。仗助より年上だが、血縁上では仗助の甥に当たる。仗助に会うために杜王町へ。時間を止めることができる最強のスタンド”スタープラチナ”の持ち主。

「胸板薄くてあんなの承太郎じゃない!」という意見が多いですが、ガチの承太郎役なんて誰もできないでしょう。見た目だけ似てる外人モデルが片言の日本語で演技するわけにもいかないでしょう。ただ、「やれやれ」の発音がおかしくて、そこは「やれやれだぜ」でした。

 

広瀬康一 / 神木隆之介
【スタンド】エコーズ

杜王町に引っ越して来たばかりの高校生で、仗助と同級生に。平和を愛し、友人を大切にする。仗助と行動を共にし始めたことから怪事件に巻き込まれていく。

原作どおりの康一像ではなかったですが個人的には好きです。やっぱコスプレしてない方が実写映画ではしっくりきます。成長の証であるエコーズACT1がダメダメでしたが、映画の展開的には仕方ないところでしょう。

 

山岸由花子 / 小松菜奈
【スタンド】ラブ・デラックス

仗助の同級生。転校してきたばかりの康一の世話係を務めることになり、それに対して強い使命感を抱いている。時折見せる極端な性格など奇妙な雰囲気を持つ美少女。

役者さんはいい感じで由花子してますが設定が気に入りません。転校したての康一にゾッコンってなんじゃそりゃ。由花子が康一くんにホレる理由は「スタンド使い引かれ合いの法則」が前提だと思っているので、はじめから康一くんラブって設定はナシでしょう。

 

虹村億泰 / 新田真剣佑
【スタンド】ザ・ハンド

形兆の弟。兄とは対照的に直情的で、頭を使うことは苦手。後先を考えずに行動しては兄の足を引っ張る。”ザ・ハンド”と呼ばれるスタンドの持ち主。

たしかに億泰ぽかった。映画版オリジナルの、康一と由花子を邪魔するシーンは「億泰ならやりそう」と思えて良かったです。右手の能力の演出がアニメ版の「ヴ~ン」じゃなくて「バチバチ」と電気っぽい演出で、レッド・ホット・チリ・ペッパーが出ないならアリだな、と思いました。

 

虹村形兆 / 岡田将生
【スタンド】バッド・カンパニー

杜王町で暗躍するスタンド使い。常に冷静沈着で頭脳明晰、かつ冷酷無比。スタンド使いを生み出す不思議な弓矢を持つ。

「出会いとは重力」と、6部っぽいセリフを言ってるなと思ったら、荒木先生からのリクエストで言ってたとはビックリ。原作に比べて顔つきが幼いですが、それは原作がオッサン顔すぎるから仕方ないですね。

 

片桐安十郎(アンジェロ) / 山田孝之
【スタンド】アクア・ネックレス

凶悪な連続殺人犯、通称アンジェロ。人の命を奪うことに躊躇はない。形兆の放った矢によってスタンド使いに。その能力、”アクア・ネックレス”は、水分に溶け込み侵入することで人体を内部から破壊する。

犬にかじりついたり牛乳配達員に化けたりもせず、いい意味で変態性が薄れて実写向きになってました。やっぱコスプレ過多でないほうがいいな。ただ、良平に逮捕されておらず、死刑宣告もされていないため、キャラ自体が軽くなってしまった感じはします。

 

東方良平 / 國村隼

仗助の祖父で、父親代わりでもある。交番勤務の巡査部長。町の平和を守ることに情熱を傾けており、連続変死事件の解決に奔走している。一日の終わりの晩酌が何よりの楽しみ。

身体を鍛えてたり杜王町の過去の事件をファイルしていたり、原作に比べてずいぶんキャラが立ってました。役者さんも年期あってかなりよかったです。思い返すと、コスプレ率低いキャラほど印象いいです。

 

東方朋子 / 観月ありさ

仗助の母。仗助の父ジョセフ・ジョースターと別れた後、仗助を産み、女手ひとつで育ててきた。今でもジョセフのことを愛しており、他の男性と再婚する気はない。

第4部連載当時はアイドルだった観月ありさが朋子の役とは感慨深いものがあります。「トラサルディがうんぬん」と原作ファンには嬉しいセリフあり。レッチリ戦が端折られ、仗助に蹴りを入れるシーンも端折られてちょっと残念。

 

その他のモブキャラ

・コンビニ強盗
映画版ではアクア・ネックレスに憑りつかれる前に良平とのやり取りがあって、ちょっと良かったです。その後は原作どおり腹にナイフを入れられて、かなり可哀そう感アップでした。

・仗助の取り巻きの女たち
予告編での「ジョジョ先輩♪」は、動画の低評価アップに繋がったと思います。原作でも没個性のよく分からない集団なので、ある意味原作に忠実です。

・仗助に喧嘩を売ったヤンキー集団
仗助の髪型を馬鹿にしているヤンキーの髪型もおかしく、変な笑いを提供してくれました。

・矢で殺される酔っ払いのサラリーマン
見事なまでの大根演技だった。

 

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ネタバレあり感想

この映画をひとことでまとめると、

そこまで原作に気を遣わなくても映画ならではの表現をすればよかったのでは?
原作を知らない一見さんにはかなり厳しいストーリー展開かも

評価:★★☆☆☆

 

ひとことじゃなくて、ふたことになってますが気にしないでください。

原作ファンに気を遣ってくれてると思えるシーンが多かったです。
そこはジョジョファンとしては素直に嬉しいところ。

しかし原作に気を遣うあまり、奇天烈なコスプレやテンポ無視の長セリフで、実写映画としての世界観を犠牲にしてると思える箇所もありました。

そもそも、原作を知らない人は話を理解するのが厳しかったのでは。

以下、やまぴーが思う良かった点、悪かった点、納得できなかった点を挙げます。

良かった点

原作ファンが楽しめるオマケシーンが多かったです。

冒頭で康一の部屋に並べられる岸辺露伴の「ピンクダークの少年」。ピンクダークそのものより、背表紙が並び絵になっているところにグッときました。

また、良平が集めている杜王町の事件記事には、杉本家の事件が乗っています。DVDだから一時停止してチェックできました。
朋子もトラサルディの話題を出してましたね。

ラストはサンジェルマン紙袋とボーリング爪切りと爪入りビンという吉良吉影づくし。前のシーンでシアー・ハート・アタックも登場済だから、原作ファンとしてはやはりテンションがあがるところです。

また、どの役者さんもかなり原作キャラのイメージを忠実に再現してくれてたと思います。億泰はたしかにすげえ。良平なんて原作よりはるかにキャラ立ってましたね。立ちすぎてちょっと微妙でしたが。
承太郎の中の人が叩かれてますが、承太郎そっくり奴とかいないでしょ。康一だって原作まんまとか無理でしょ?無茶言っちゃダメですよ。原作愛の裏返しなんでしょうけど。
役者さんはみんな良かったです。

ちなみに、「バッドカンパニー戦がすごい」というコメントをたくさん目にしましたが、やまぴー的には「まあ普通?」ぐらいでした。マーベル映画とか見慣れてると感動ないです。「ハリウッド映画と比べるな」と言われそうですが、値段は同じだから比べちゃうよね。

 

悪かった点

次に悪かった点ですが、「映画化したこと自体が悪い」とか言うのはナシ。話が終わってしまいます。

やっぱりコスプレは厳しかったです。これは原作に忠実すぎたゆえの失敗かと思います。終始イベント感が漂って集中できませんでした。
スペインでの撮影も個人的にはダメでした。街並み海外なのに通行人や標識だけ日本ってどうなのよ。
康一が「由緒ある歴史的建造物も…」ってナレーションしてるのに、めっちゃ西洋風の建物が映ってて笑いましたよ。いつから杜王町は横浜や神戸みたいな異人街になったんだ。

海外を舞台にコスプレした日本人たちがバトルしてて、確かに「奇妙な冒険」にはなってます。

でも、やまぴー的に第4部は「日常に潜むミステリー」がキモだと思ってます。だから、そもそも非日常なところでおかしなことが起こっても奇妙さを感じられません。
原作でも初めて日本が舞台になった第4部ですから、素直に仙台で撮影すればよかったのでは?と思います。

そもそもこの映画、原作読んでない人は理解できるんでしょうか?
スタンド=超能力はかろうじて理解できそうですが、いろんな設定がまったく説明されないまま進むため、途中で訳がわからなくなりそうです。いきなり「ジョセフ」とかいう登場しない人物からの血縁関係を言われても「???」な気がします。
原作ファンが感じる「なんで康一が転校生で由花子が世話係なの?」な唐突さを終始感じてしまいそう。

そして、この映画で一番気に入らなかった点は、原作どおりにセリフをしゃべりすぎなところ。
漫画で読んでるときは気にならないんですが、実写化されて聞いてみると「しゃべってるヒマがあるなら早く康一助けろよ」とか「しゃべる前にミサイル避けろよ」とかテンポの悪さが気になって仕方なかったです。

 

納得できなかった点

ここでは、良いとか悪いとか以前に、なんでそんな設定にしたのか理解できない点を挙げます。

まずは転校生の康一。これは何か必要性があったんでしょうか。由花子の世話係という設定が輪をかけて謎です。個人的にスタンド使いになる前の康一にはホレてほしくないところ。それとも愛じゃなくてただの使命感って設定なの?そんなバカな。

アンジェロが良平に逮捕された設定がなくなってましたが、なくした理由がわかりません。逮捕された恨みがあるからこそ、良平をストーキングして好みのブランデーを知っていた設定が活きると思うんですが。なぜ良平にアクア・ネックレスが見えたのかは、原作ファンとしてスルーさせてください。

バッドカンパニーがひとつの命令をしか聞かない設定にしたのはなぜ?最後のミサイルを撃ち落とせない伏線としてでしょうか。でもその前に仗助を殲滅できてないのに攻撃やめてるよね。

そして、とびきりの衝撃かつ疑問はシアー・ハート・アタック。体温感知の遠隔自動操縦なのに、億泰の身代わりになった形兆だけ殺して退散してます。もう映画版ならではスタンド能力にするしかないよこれは。

ただ、スタンド能力うんぬんよりも、シアー・ハート・アタックについての最大の疑問は、なんで形兆の口の中に入っちゃったのか。

 

おもしろすぎるだろ!

 

誰ですか、あの演出考えた奴は。
弟かばって死ぬ兄貴の姿が台無しです。

靴のムカデ屋のおやじをリスペクトしてでしょうが、そこまでする必要ないでしょ。

靴のムカデ屋のおやじ

だったら形兆が登場したときにでたべっ子どうぶつ食べてりゃよかったのに。

 

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まとめ

原作に忠実で嬉しい反面、それ以上に原作に忠実すぎて実写映画として楽しめなかった本作。制作陣も原作ファンの怒りを買わないように必死だったんでしょうか。

もっとオリジナルを加えてもよかったかも。マーベル映画なんてヒットしてますけど、原作から設定かなり変えてるものも多いです。
オリジナルなんて加えたらジョジョファンが怒るんじゃないの?と思われるでしょうが、実写化するって時点で叩かれてるんですから何やっても一緒ですよ。

続編があるなら、実写ならではの「こういうジョジョもアリだな」っていう作品がみたいと思います。

あるいはジョジョのことは忘れて、バオーかアイリンやるのもアリかも。
いや、集客的にナシかな。

 

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