ども、映画好きのやまぴーです。
今回見た映画は、映画ファンの間から賛否両論激しく分かれている『ジョン・ウィック:チャプター2』です。
◆まずは前作『ジョン・ウィック』の復習
前作の「ジョン・ウィック」ですが、ドンパチやってるだけでストーリーなんてほぼないくせに、観ていないとチャプター2でよくわからない箇所がテンコ盛りとなっています。チャプター2を観る前に、前作を観ることを強くオススメします。
キアヌ・リーヴス復活!『ジョン・ウィック』本予告編
時間も90分程度と見やすいのでぜひチェックを。賛否両論分かれているチャプター2ですが、前作が嫌いな人は絶対今作も嫌いなはずです。
どうしても観る時間がない、あるいは見たけど内容を忘れた人へ簡単におさらいです。まあストーリーなんてほぼないんですけどね。
前作の内容を簡単に説明すると、「虎の尾を踏んだロシアンマフィアが壊滅させられる」お話です。映画用語で言うところの「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした!」のお話です。
大物ロシアンマフィアをパパに持つバカ息子が、ガソリンスタンドでカッコいい車乗っる男に「売ってくれ」って頼んだら断られたので、男の家まで行って男ボコってペットの犬殺して車奪って調子に乗ってたら、その男が実は引退した伝説の殺し屋『ジョン・ウィック』(コードネーム:ブギーマン)で、しかもペットの犬は死んだ妻からの形見だったみたい。
で、それを知ったボスパパから激おこされるわ、どっかに身を隠せとか言われるわ、パパはパパでジョンにごめんね電話するもガチャ切りされたから、手下どもをジョンの家に送るけど皆殺しにされるわ、息子が隠れてるホテルにまで乗り込まれてこれまた手下を盛大に殺されるわ(息子はなんとか逃げるけど)、一度ジョンを捕まえるんだけど、すぐにトドメ刺さないからお約束で逃げられるわ、息子の隠れアジト乗り込まれてまたまた手下を盛大に殺されるわ、今度は息子も殺されるわ、パパが腹いせにジョンの友人のスナイパー殺したら、さらに怒りに火を注いで飛行機逃亡の直前に手下全員殺されて、パパもやっぱり殺されてロシアンマフィア壊滅、というお話です。
実際にチャプター1を観た人からは、「そんなテキトーじゃねえだろ」と言われそうですね。あるいは「いや、ドンパチやってただけだよ」と言われるかも。
映画『ジョン・ウィック:チャプター 2』特別映像:シンフォニー・オブ・バイオレンス
※タイトルに「チャプター2」と入ってますが、99%チャプター1の映像です。
さて、前作の「ジョン・ウィック」ですが、ストーリーよりも世界観を知らないとチャプター2で理解できないシーンがありますのでそちらを簡単に説明します。
コンチネンタル
殺し屋たちのサポート機関。ローマに本部を置き、ニューヨーク、ロンドン、東京など大都市に施設がある。おもにホテルの体をなしている。利用には特殊な金貨が必要。コンチネンタルの会員が守るルールはふたつ「ホテル内で血を流さないこと」「誓印は絶対に守ること」。規約違反者には死の制裁が与えられる。(公式HPより抜粋)
こちらの機関はチャプター2でも登場するので(しかもパワーアップして)覚えておいたほうがいいです。東京にもコンチネンタル機関あるっぽいんですが、実在するなら怖いけど見たいような。っていうか検索したら府中に「ホテルコンチネンタル」って1件ヒットしてブルブルしてます。(関係者の方ゴメンなさい)
金貨
裏社会の特殊通貨。コンチネンタルホテルの宿泊や武器調達、死体処理などあらゆる裏稼業の依頼に通用するっぽい。金貨1枚の価値が何ドルなのかよくわからないところが逆に魅力。
殺したマフィアの死体を処理するために、電話で「12時にディナーの予約を」と伝え掃除屋チャーリーを呼び、作業完了後に金貨を渡すシーンは超カッコいいです。
ガンフー
格闘技と射撃を融合させた独特な戦闘スタイル。劇中でこんな言葉は出てこないし、覚えなくても問題ないんですが「ジョン・ウィック」を象徴する単語なので一応紹介しときます。なお、映画マニアの間でガンフーはかなり熱く語られている要素なので興味ある人はチェックしてみてください。
余談ですが、管理人のやまぴーが記憶に残っている銃拳術は、映画『リベリオン』(原題:Equilibrium)に登場した「ガン=カタ」です。
Equilibrium (10/12) Movie CLIP – Not Without Incident (2002) HD
ラストは超カッコいいですが、それまでの展開がもうグダグダすぎて…
以上、「ガン・フー」はともかく「コンチネンタル」と「金貨」は覚えておいた方がいいです。
◆『ジョン・ウィック:チャプター2』の予習
さて、お次は今作「チャプター2」の予習ですが、まずは告知の端々から関係者サイドの悪ノリっぷりが感じられます。
映画『ジョン・ウィック:チャプター 2』特別映像 帰ってきた技のデパート編
なんだよ「技のデパート」って? しかも公式ページみたら、著名人コメントにキラー・カーンもいるし。ほかのコメントも「ぼっち飯」だの「激太り」だの「この夏、最高のデートムービー」だの、本気にして観に行ったカップルが破局したらどう責任とるんだコノヤロウですよ。
『ジョン・ウィック:チャプター2』“三種の神技”を徹底解剖する特別映像
もう完全に言ったモン勝ちじゃないですか。そのうち鉛筆を使った「ペン・フー」とか、飛行機を相手にぶつける「エアー・フー」とか、キアヌの初心に帰って「バス・フー」とかなんでも出てきますよ。
そのほかにも公式ページでは「巻き込まれ型ロシアン・マフィア」だとか二代目の愛犬の欄に「名前はまだない」とか、購読してる映画メルマガにも「早朝でもないのにバズーカ撃ちやがって」とか、どこもかしこも悪ノリしてて、みんな楽しんでるんだろうなあ、と思います。
で、チャプター2のストーリーをネタバレしない範囲でいうと…
サンティーノから全世界の殺し屋へオーダー
賞金7億円!!!ジョン・ウィックを殺れ!!!
復讐劇から5日後、イタリアン・マフィアのサンティーノが姉殺しの依頼にやってくる。絶対契約である「誓印」を持ち出すサンティーノに、はじめは断るも彼の怒りを買い家をバズーカで破壊されてしまう。一命をとりとめたジョンはサンティーノへの依頼を受けつつ復讐を開始するが、サンティーノから7億円の懸賞金を懸けられ、全世界の殺し屋に命を狙われることになる。(公式HPより抜粋)
簡単に説明すると、相手がロシアンマフィアからイタリアンマフィアに変わってスケールも上映時間も殺傷人数も増えたのがチャプター2です。ということで前作が好きじゃない人は当たり前ですが観ちゃダメです。
ネタバレしない程度の感想をいうと、ぶっちゃけ「今作と前作でどちらが好きか?」と聞かれたら前作なんですが、チャプター2も十分楽しめました。「アクションがもっさい」とか言われてますが、歳相応の殺し屋っぽくて好きですけどね。「殺し方がワンパターン」って言われるとそのとおりなんですが、それは「志村は同じギャグばかり」って言ってるのと同じかと思います。
映画『ジョン・ウィック:チャプター 2』特別映像「トレーニング」
ってことで、キアヌ自身が長らくの低迷から「“完全復活”だバカヤロウ」となったジョン・ウィックのチャプター2。好き嫌い分かれますが、前作と著名人コメント見て楽しめる人は行って損はないはずです!
と、ここから先はネタバレとなります。
腹でたなあ…
◆『ジョン・ウィック:チャプター 2』のネタバレ感想
ネタバレのざっくりあらすじ
復讐劇から5日後、誓印持ち出して姉殺し頼むサンティーノを岸部露伴っぽく断ったらバズーカで自宅壊されて、コンチネンタルで愚痴ったらウィンストンに「誓印は守んなきゃ」って言われたので、復讐はひとまずおあずけにして渋々ローマへ。
ローマでドンパチやって無事姉殺して誓印ノルマ達成、さあサンティーノ殺すかって思ったら懸賞金7億円かけらたもんだから殺し屋わんさか来てさあ大変。でも全員返り討ちにしてやったけど。
追い詰められたサンティーノは流血ご法度のコンチネンタルに逃げ込むも、ジョンは「それが何か?」と額に一発決めて復讐ノルマ達成。でも懸賞金額は上がるわウィンストンからコンチネンタル出禁にされるわで、もう逃げるしかねえよ!
…ってところでチャプター2は終了。
以下、感想殴り書き
まさかの再登場、NYポリスの「ジミー」に感激
バズーカで破壊された家を見ながら「ガス漏れかな?」と尋ねるシーンは最高でした。前作でもジョンの家で死体を見ても「戻ったのか?」とだけ聞いて何もしなかったり、ジョンとの友情ではなく「厄介ごとに巻き込まれたくない」という気持ちが前面に滲み出ている良いキャラです。
ホテルコンチネンタルのファシリティが最高
地図屋、仕立て屋、金庫屋、ソムリエ、もう笑わせるためだけの設定じゃないですか。とくに武器のソムリエが「ドイツ製がお好きなのは存じてますが…」とか「デカくて正確…それでしたら…」とかまさしくソムリエ。考えてるときに口のなかでテイスティングっぽい仕草までしてます。
あと経理部、そもそもなんで経理部が?しかもタイプライターで打った書類を丸めてパイプに入れるって?っていうかなぜ電子データを一度印刷してもう一度打ち込んでるんだ?あ、一度アナログにすることでハッキングを防いでるわけだけな。って完全にギャグの世界なんでなんでもアリですね。
ロシア語からイタリア語から手話まで
前作で話してたロシア語はロシアンマフィアの下で働いてたからオーケー。イタリア語も仕事で行ってたみたいだからオーケー。でも手話までいけるってどういうことよ?アレスも当たり前のように手話で話しかけてんじゃないよ。
次回作ではC言語やPHPのコンピュータ言語でもやりとりできそうですね。でも片言の日本語だけはやめてほしいなあ。いや、親日家のキアヌなら流暢な日本語で「麺カタ、増し増しで」ぐらいは言ってくれるかも。
アクションシーンは相変わらず好き
一部で「飽きた」などと言われてるガン・フーですが、やっぱり見ていて爽快。なんとか無双をやってる気分です。むしろ殺し屋たちから狙われるシーンが思ったより人数少なかったんですが、残りの殺し屋は続編かな?3つのバトルを同時進行で見せていく手法は面白いですね。サイレンサーの打ち合いも笑えました。逆に鏡の間のバトルはトリッキーすぎてちょっと…
ジョン・ウィックは恐いというより馬鹿なのか?
今回一番思ったのはコレ。あれだけダメだって言われてるホテルで銃撃つわ、やっとの思いで取り返した愛車をボコボコぶつけてドアまで吹っ飛ばすわ。コイツ、恐いっていうより馬鹿なんじゃないのか?と思ってしまいます。
ラストのウィンストンもきっとジョンの馬鹿さ加減に涙ぐんだのではないでしょうか。
「ジョナサン」「ウィンストン」「ジョナサン」「ウィンストン」と名前を呼んでもオウム返しに呼び返すだけの伝説の殺し屋。かばいきれないよね。
◆次回作チャプター3について
すでに次回作が決まっているジョン・ウィックですが、今回のチャプター2を観て3の布石になってる感がぬぐえないところが一番の不満でした。まあ、一応チャプター2だけでも完結してるけど。
チャプター3の開始は2の一時間後になるんでしょうか?でも、ストーリー的に逃走劇になるんだとしたら、シリーズお得意の「復讐劇」からテーマが外れしまうのがちょっと不安です。奥さんの話とかもはや関係ないし。
最後に渡された誓印のメダルとか、修理中の愛車とか、そもそもサンティーノとの誓印のきっかけとか、謎が多くて次回作が気になるとこです。しかし映画ファンとしては、かつてのキアヌ映画で『1がすごく面白くて、2は3に続くように終わったけど、3がとてつもない駄作』だった「マトリックス」を思い出さずにはいられないはずです。しかもモーフィアス役の彼まで登場しているし、これを偶然と呼ぶにはあまりにも…
本当に3が傑作として終わるのか、いまからもう不安で仕方ないです。
おまけ:ジョンの刺青について
背中に彫られた「Fortis Fortuna Adiuvat」は、英語では「Fortune Favors the Bold」、日本語訳すると「幸運は勇者に味方する」。これはハワイの米軍基地に所属する海兵隊のモットー。ってことはジョンは軍隊帰りということですが、これもチャプター3で語られるのでしょうか。テレビシリーズ化の噂もあるからひょっとしたらテレビで明かされるかもしれませんね。
『ジョン・ウィック:チャプター2』
[John Wick: Chapter 2]
製作会社 – ライオンズゲート
配給 – サミット・エンターテインメント、ポニーキャニオン
キャスト
ジョン・ウィック – キアヌ・リーブス
ヘレン・ウィック – ブリジット・モイナハン
オーレリオ – ジョン・レグイザモ
ウィンストン – イアン・マクシェーン
シャロン – ランス・レディック
ジミー – トーマス・サドスキー
サンティーノ・ダントニオ – リッカルド・スカマルチョ
カシアン – コモン
バウリー・キング – ローレンス・フィッシュバーン
アレス – ルビー・ローズ
アブラム・タラソフ – ピーター・ストーメア
ジュリアス – フランコ・ネロ
ジアーナ・ダントニオ – クラウディア・ジェリーニ
監督 – チャド・スタエルスキ
脚本 – デレク・コルスタッド
原作 – デレク・コルスタッド
製作 – ベイジル・イワニク、エリカ・リー
音楽 – タイラー・ベイツ